エアバスの最新鋭機 A350XWB、次世代ワイドボディ機の価値とは

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関係者を乗せた試乗フライトのために羽田を離陸したエアバスA350XWB。離陸は遠すぎて撮影に適さないD滑走路だった。
  • 関係者を乗せた試乗フライトのために羽田を離陸したエアバスA350XWB。離陸は遠すぎて撮影に適さないD滑走路だった。
  • A350XWBのマーケティングディレクターを務めるマイク・バウザー氏。
  • 航空需要はアジア太平洋圏で高まると予測する。
  • 市場が求めるのはA320neoのような単通路機が主となるが、A350XWBのような双通路機も今後20年間に7250機が引き渡される…とする。
  • A350XWBの特長は広い機内。エコノミークラスは2本の通路を挟み、3+3+3の横9列配置となる。
  • A350XWBは量産6号機がカタール航空にまもなく引き渡され、早ければ年内にも営業運航が開始されるという。
  • 日本航空向けの機体引渡しは2019年を予定。
  • 低燃費・高静粛性のトレントXWBエンジンと、カーボンを多用した機体により、ライバル機よりも燃費効率が25%良いとされる。

エアバスは20日、前日に日本へ初飛来した次世代型ワイドボディ機「A350XWB」の報道公開に先立ち、同機に関した説明会を実施した。本社からA350と共に訪れたマーケティング・ディレクターのマイク・バウザー氏がワイドボディ機の市場について語っている。

エアバスでは、「アジアを含む新興市場では今後の20年間で航空需要の成長率が年率でプラス6%となり、世界的にも3万1358機の旅客機や貨物機の新造が必要となる」と予測。需要の中心となるのは単通路の小型機だが、A350XWBを含む双通路の中型機も7250機の新造引き渡しが必要となる…としている。

A350XWBはこれまでに39社から750機を受注しているが、このうちの11社244機がアジア太平洋地域からのもので、比率にすると30%超となる。日本航空はエアバス機を現在は運航しておらず、初期型のボーイング777を置き換える目的で発注しているが、A350XWBを発注しているアジア圏の航空会社は現在もA330やA340を運航しているところが目立つ。

既存機に対するA350XWBのアドバンテージは「25%低い運航コスト」と「快適で効率的な客席」だという。長距離の国際線で運用されているボーイング777-300ER型と、同様のキャパシティを持つ長胴モデルであるA350XWBの「-1000型」を比較した場合、機体重量は20トン軽く、燃費は25%低いので搭載燃料も20トン少なくて済む。

機内幅は横が約5.6m(221インチ)で、エコノミークラスには約45cm(18インチ)幅の座席が3+3+3の配置で横に9席並ぶ。エコノミークラスにおいても全員分のキャリーカートがラゲッジスペースに収納できることも特長のひとつとなっている。

今回のアジアツアーで飛来したのは、製造番号「005」の機体だが、これに続く「006」はカタール航空向けのもので、まもなく引き渡される予定となっており、早ければ年内にも営業運航が開始される。日本航空向けの機体は2019年に納入の予定だ。

《石田真一》

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