ポルシェジャパンは11月15日と16日の2日間、兵庫県の淡路島で「パナメーラS E-ハイブリッド 特別試乗会」を開催した。
このイベントは、一般ユーザーを対象に、公道や特設コースで、ポルシェのプラグインハイブリッド車『パナメーラS E-ハイブリッド』に試乗してもらい、ポルシェが目指す「ポルシェ e-mobility」をいち早く体感してもらおうというもの。
パナメーラS E-ハイブリッドは、昨年『パナメーラ』シリーズがマイナーチェンジした時に発表されたモデル。エンジンは従来のパナメーラS ハイブリッドと同じスーパーチャージャー付3リットルV6(333ps、440Nm)だが、外部からの充電も可能な「プラグイン」に進化しており、満充電ならモーターだけで最大で約36km走り、最高速度は135km/hに達する。一方で、エンジンとモーターを合わせたシステム出力は416psを誇り、最高速度は270km/hに達するなど、ポルシェの純エンジン車に引けをとらない動力性能も備えている。
試乗会場の起点となったのは、明石海峡大橋を渡ってすぐのウェスティンホテル淡路。ホテルのファサードには試乗車のパナメーラS E-ハイブリッドがずらりと用意されていた。ブレーキキャリパーやエンブレムにあしらわれたアシッドグリーンは、ポルシェにおいてPHEV(プラグインハイブリッド)を象徴するアクセントカラーになる。
試乗コースは、一般道と高速道路(淡路島を縦断する神戸淡路鳴門自動車)の約38kmと、クローズドの特設ハンドリングコース。パナメーラS E-ハイブリッドの性能をもってすれば、公道区間では高速道路も含めて、加速時を除けば、ほとんどモーターだけで走行可能。また、後半の特設コースでは自らの運転で発進加速、フルブレーキング、パイロンスラロームを試すこともできる。プラグインハイブリッドによる未来的な走りと、ポルシェならではの運動性能の両方をしっかり体感してもらうのが、この試乗プログラムの狙いだ。
ホテルのメイン会場では、モータージャーナリストの清水和夫氏によるトークショーも行われた。一般的な摩擦ブレーキでは熱として大気中に捨てるエネルギーを、ハイブリッド車では回生ブレーキで回収できることの意味や、今やモータースポーツの頂点でもハイブリッド技術が欠かせないことを説明。今年のルマン24時間レースに投入された「919ハイブリッド」や、ニュルブルクリンクで市販車最速の6分57秒を達成した『918スパイダー』などに触れながら、ポルシェのハイブリッド戦略について紹介した。
また、一方で、清水氏は、ポルシェ創業者のフェルディナント・ポルシェ博士が1900年のパリ万博に出品した電気自動車「ローナーポルシェ」にも触れ、「コンセプトは114年前にあったのです」とポルシェの先見性についても言及。そして今、様々な選択肢がある中で「一番大事なのは自分のライフスタイルに合わせてクルマ選びをするということ。あるいは、こういうクルマを買うと自分のライフスタイルを変えられるんじゃないかと考えるのも面白い」と語った。
イベントの終わりには、清水氏を囲んで質疑応答の時間も設けられ、ポルシェに関してや環境技術についてまで、多くの質問が飛んだ。全体として感じたのは、参加者のポルシェに対する期待値の高さだ。
参加者の一人は、パナメーラS E-ハイブリッドについて「動力性能も、ハンドリングも、快適性もとても高い。日常からロングドライブまで、どんな風にも乗れそうなところがいい」とコメント。また、これまで『911』や『パナメーラ』、『カイエンターボ』などを乗り継いできた別の参加者は「性能については申し分ない。さらにコンセプトを理解して乗ることが重要ですね」と話した。
パナメーラS E-ハイブリッド特別試乗会は、年内には関東と北海道でも開催予定。11月20日・21日・22日には関東会場(神奈川県、大磯ロングビーチ)で、11月28日・29日には北海道会場(札幌市、モエレ沼公園)で開催される。