ヤマハ発動機は、イタリア・ミラノで開催された国際モーターサイクルショー「EICMA 2014」(ミラノショー)開催の前日に、ミラノ市内でカンファレンスを開催。『WR250F』、『YZF-R3』、『TMAX』、『MT-09トレーサー』、『YZF-R1 / R1M』を発表した。
司会はMotoGPプレゼンテイターのギャビン・エメット氏で、ヤマハ・ヨーロッパのオペレーション・ディレクターであるエリック・デ・セイン氏のスピーチの後、順次、新型車が登場、セイン氏によって商品説明が進んでいった。
WR250Fは、現行型モトクッロサーYZ250Fの後傾シリンダエンジンを搭載するエンデューロモデル。アルミフレームもYZ250Fがベースで、エンジンマウントなどがエンデューロモデル向きに改められている。
YZF-R3は、日本で市販が開始されたばかりの『YZF-R25』のスケールアップバーションで、8mmのボアアップで排気量を321ccとしている。最高出力は36psから42psに向上、欧州向きのA2ライセンス対応モデルだが、国内市販が望まれるモデルでもある。
TMAX新型は、フロントフォークにφ41mm径の倒立型、フロントキャリパーに4ポットラジアルマウント式を採用し、走りを高度化。スタイリング、装備に手が入れられている。
MT-09トレーサーは、『MT-09』をベースにクロスオーバータイプとしたモデルだ。ただ、前後ホイール径、前後サスストローク(もともとMT-09はロードモデルとしては大きめ)、エンジン諸元に変更はなく、MT-09のツーリング性能を高めたモデルと解釈して良さそうだ。
そしてカンファレンスでは、ここまでの新型車紹介が進んだところで、ヤマハ発動機の柳弘之社長が登壇。"Yamaha is challenging the future!"でスピーチをまとめたところで、MotoGPチーム、モビスターヤマハのヴァレンティーノ・ロッシ選手がYZF-R1新型に乗って登場。次いで、ホルヘ・ロレンソ選手がYZF-R1Mとともに現れ、場内は盛り上がった。
完全新設計のYZF-R1新型は、クロスプレーンクランクなどの特徴を踏襲しながら、燃料満タンの装備重量199kgという軽量マシンに生まれ変わった。ロー、ピッチ、ヨーイングの3軸の角速度と角加速度を検出する6軸姿勢センサーを装備するなど、MotoGPマシン譲りの最先端技術が造りこまれている。上級型のR1Mは、電子制御式オーリンズ製サスペンションを装備、データロガー機能も加わり、またGPSを使ってのラップタイム計測も可能としている。