メルセデス 新型Cクラスの純正オーディオ、6万円でここまで変わる…SonicPLUS205を試す

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純正スピーカーはそのままに、音質補正回路の追加で最適化を図る
  • 純正スピーカーはそのままに、音質補正回路の追加で最適化を図る
  • 河口まなぶ氏
  • メルセデス・ベンツ品川の末重秀哲氏(左)と河口まなぶ氏
  • メルセデス・ベンツ品川の末重秀哲氏
  • SonicPLUSのキット内容一式。シンプルな内容だが、音質向上は劇的だ。
  • Cクラスの内張を取り去ったところ
  • 純正スピーカーはそのままに、音質補正回路の追加で最適化を図る
  • アコースティックコントロールエレメントを装着

リーズナブルに価格以上の音が手に入ることで好評を得ているソニックデザインから、メルセデスベンツ新型『Cクラス』(W205)専用のサウンドチューニングキット「SonicPLUS205(ソニックプラスニーマルゴ)」が発売された。

◆トゥイーターと音質補正回路追加でサウンド向上

これまで好評を得てきたSonicPLUSは、純正スピーカー装着部にボルトオンで取り付けが可能な上、エンクロージュア構造を採用することで外部への音漏れ等も防ぐという効果も人気の商品。だが、今回の新型Cクラス用「SonicPLUS205」では、純正スピーカーから置き換えるスピーカーは用意せずに、純正スピーカーを活かしたキットとなっているのが特徴だ。

ではなぜ今回は、純正スピーカーと置き換えるスピーカーが用意されずに純正スピーカーを活かす仕組みなのか? それは新型Cクラスの純正スピーカー取り付けに理由がある。

以前のモデルではドア側に取り付けられていた純正スピーカーだが、今回はドアのトリム側にスピーカーが組み込まれている。また同時にこの構造だとソニックデザインが得意とするエンクロージュア式スピーカーを取り付けるためのスペースも不足している。

その意味ではソニックデザイン的には不利とも思えるのだが、同社は今回これを逆手にとって、純正スピーカーを活かして手軽ながら格段に優れたサウンドを実現することができたのだ。

では、今回のSonicPLUS205のキット内容を説明しよう。その内訳は、18mm口径のマイクロファイバー・ドームトゥイーターが2つ、専用のアコースティックコントロールエレメント(前後)、トゥイーター用ネットワーク回路と純正ドアスピーカー音質補正回路とを一体化したアコースティックコンペンセーター、そして助手席足元の純正ウーファーから出る中高音をカットして自然な音に調整するアディショナルコンペンセーターという内容だ。

◆実は全てのスピーカーがフルレンジで鳴っている純正オーディオ

今回のキットでまずポイントとなるのは…という説明に入る前に、新型Cクラスの純正スピーカー構成を記しておこう。Cクラスは、先に記したように、まず前後のドアにメインとなるスピーカーが取り付けられている。これに加えて助手席の足元に、サブウーファーが置かれている。そしてフロントドアのサイドガラスの前端(Aピラーの付け根部分)にトゥイーターが取り付けられる場所とメッシュグリルが与えられている。そしてサウンド的には、メインのスピーカーもサブウーファーも高音/中音/低音の全ての音域を発生するシステムとなっている。つまりどのスピーカーでも全ての音(フルレンジ)を出している。

その上で、今回のキットでポイントとなるのはトゥイーターが加わっていることだ。新型CクラスはC180、C200、C250というラインナップとなるが、トゥイーターが取り付けられる場所に実際にトゥイーターを入れて使用しているのは、C250でレザーエクスクルーシブパッケージを選択した際に付いてくる「Burmester(ブルメスター)サラウンドサウンドシステム」搭載車のみだ。

つまりC180/C200の純正オーディオの場合、トゥイーター部分はグリルのみで実際にユニットは入っていない、新たにトゥイーターを追加することで音質をグレードアップできるというわけだ。

◆取付時間は3時間以内、加工なしで音質グレードアップ

そしてSonicPLUS205ではまず、トゥイーターで指向性のある高音域をしっかりとドライバーに届ける役割が与えられる。そしてアコースティックコントロールエレメントによってドアに取り付けられた純正スピーカー周辺に発生する反射や共振などによる不快な“こもり音”を抑制し、クリアな中音域を中心に再生する役割が与えられ、助手席足元のサブウーファーからは低音を発生させらるよう、補正回路によって処理がなされる。つまり、高音、中音、低音といった帯域をそれぞれのユニットに最適化する…と考えれば良い。

また最大のポイントは、純正スピーカーを活かすことからもわかるように、クルマ側にほとんど加工を施さないこと。トゥイーターは純正のトゥイーター用ブラケットを用いるし、それ以外は音域をチューニングしたエレメントや回路を配線に加えるだけになる。

実際に今回、取り付け作業を行ったメルセデス・ベンツ品川のセールスタッフ末重秀哲氏によると、「やはりお客様は加工が必要となると取り付けに躊躇されてしまいます。その意味では今回のSonicPLUS205のように手軽に取り付けられるものはご購入しやすいと思います」と語る。「また販売店としてアフターサービスへの対応もしなければなりませんので、サポートもしっかりしているのがポイントとなります」。その点、ソニックデザインは取り付ける側にとっても安心感のあるメーカーだという。

大がかりな加工が不要でディーラーで取り付けられるというのは、販売店・ユーザー双方にとってメリットとなる。今回、実際に取り付け作業を見学したが、取り付けはドアトリムを外してエレメントを加えたり、トゥイーター等を加え、サブウーファーに補正回路を入れるだけ。しっかりと丁寧に作業を行って、だいたい2~3時間で装着できてしまうという。

また今回SonicPLUS205は、ソニックデザインとして3年保証を付けているのも見逃せないポイントで、品質もきっちりと保証してくれる。もっともこの辺りは実際に、製品への自信があるからの長期保証、ともいえる。

◆6万円を切るセット価格、音質向上には目を見張る

さて、装着が完了して実際にその音を聞いてみると…ひとことで表現するならば、「音が立体的になった」というのが第一印象だ。

これまでメイン/サブウーファーで全ての帯域が再生されてフラットな感覚だったものが、高音/中音/低音を帯域が分けられたことでクッキリと際立ったものになったわけだ。そしてこの結果、音にメリハリと輪郭が生まれ、一聴で高音質になったことが実感できる。

装着以前は、ソニックデザインお得意のエンクロージュア型スピーカーへの交換というわけでもなく、トゥイーターの追加と音質補正というチューニングのため、果たしてどれくらいサウンドが変わるのか? と気になっていたが、実際に聞いてみるとむしろ価格以上の価値が確実に生まれている、と感じた。何しろ印象としては、5万9000円(税別・工賃別途)で別のオーディオシステムを入れた、と思えるくらいにサウンドは変わるのだ。

リーズナブルな価格ながらも確実にサウンドの質を高めてくれるのは、まさにソニックデザインの得意としているところ。それが今回のSonicPLUS205でも、しっかりと証明されたといえるだろう。

《河口まなぶ》

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