アフガンに派遣されたオーストラリア兵士を、帰国後に待ち受ける苦難

ホームレス、心的外傷後ストレス障害  11月5日、アフガニスタンの戦場から帰って …

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ホームレス、心的外傷後ストレス障害

 11月5日、アフガニスタンの戦場から帰ってきた豪国防軍兵士が非常に高率でホームレスになっており、中には車の中で寝泊まりするようになっている者もいるとの警告が出されている。

 復員軍人連盟(RSL)のLifeCareで若い復員兵士のアドバイザーとして、宿泊その他の世話をしてきたジェフ・エバンズ氏が警告を発しているもので、過去5か月の間に21人にシドニー北部海岸ナラビーンの宿泊施設を世話してきた。しかし、実情はもっと問題が大きいとしている。

 ABCラジオの「AM」に出演したエバンズ氏は、「問題は非常に大きいはずだ。2008年に復員兵士の間のホームレス問題報告書が発表された時には毎夜3,000人の復員兵士が夜空の下で過ごしていると報告されていた。しかし、その後の豪国防軍の海外活動の大きさを考えてみれば現在ホームレスになっている復員兵士の数がもっと膨れあがっていることは容易に考えられる。イラク、アフガニスタンその他の戦乱地域に我が国は4万人から5万人の兵士を送り出してきた」と語っている。

 ナラビーンでは老後施設がそっくり復員兵士とその家族の宿舎に改造されており、入居者は25歳から55歳の間で占められている。エバンズ氏は、「これは氷山の一角に過ぎない。復員兵士だけでなくその家族もいる。兵士の妻や子供も車の中で寝泊まりしているのだ。アフガニスタンに行った兵士達が帰ってきて生活の困苦を感じ始めれば私のところに頼ってくる者もさらにふえるはずだ。ベトナム戦争に行った兵士達にどういうことが起きたか知っているはずだが、同じことが起きると考えられる。精神障害、自殺、アルコール中毒、本人達ばかりでなく家族にも影響が出る」と語っている。

 2010年末に負傷して除隊するまで20年近くコマンド隊員だったエバンズ氏は、「復員軍人省は世界水準の復員事業をしているが、ホームレス問題対策はまったくできていない。もっとリハビリテーションに力を入れなければならないのだ。今の制度では個人が完全に破綻してから初めて援助するというものだが、それでは立ち直るまでに大変な努力が必要だ。それよりもっと早いうちに援助することが望まれるし、ホームレス問題を焦点にして考えなければならない」としている。(NP)
http://www.abc.net.au/news/2014-11-05/epidemic-rates-homelessness-australian-veterans/5866836

「復員兵士に生活の危機」と専門家

《Nichigo Press》

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