日本テキサス・インスツルメンツは、アダプティブヘッドライトシステム向けに、業界初の完全集積型高輝度LEDマトリクス・マネージャIC「TPS92661-Q1」を発表した。
アダプティブヘッドライトシステムは、ハイビームとロービームの照射方向と強度を自動的に制御。既に各自動車メーカーの上級モデルに搭載され、今後、主力モデルでの普及も見込まれている。
TPS92661-Q1は、複数の高輝度LEDのシャントFET調光アレイ向けのコンパクトなソリューション。12個の個別制御MOSFETスイッチを内蔵し、接続したLEDに電流を流すか、あるいはLED周りのバイパス回路に流すかで個々のピクセル・レベルでの光量調整を可能にする。また、1本のシリアル通信ポートを搭載し、同社の「C2000」などの制御マイコンにより、制御や診断を行うことができる。
従来、アダプティブヘッドライトの設計において、ヘッドライトのビームフォーミングと方向制御には、複数のトランジスタ、ゲートドライバ、グルーロジック回路などの、サイズの大きいディスクリートICを搭載する必要があり、基板面積が大きくなっていた。TPS92661-Q1は基板面積を73パーセント低減するとともに、モーターやアクチュエータなどの故障しやすい可動部品を不要にする、完全なソリッド・ステート型ヘッドライトの設計を可能にする。
パッケージは48ピンHTQFPで、1000個受注時の単価(参考価格)は3.7米ドル(約404円)。