【三菱重工 ターボ技術者インタビュー】ターボは技術のシナジーによって成り立っている

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三菱重工の名を知らない人など、日本人成人男性には居られないだろう。1880年の創業以来、戦艦「武蔵」や戦闘機「零戦」などの製造から、発電プラントや大型客船、航空機や宇宙ロケットの主要部品製造など、大型工業施設や輸送機器生産の多くに関わってきた企業である。

2014年より同社はドメイン制に事業を集約。もっとも高いボリュームゾーンのエネルギー・環境ドメインや、防衛・宇宙ドメイン、交通・輸送ドメインと機械・設備システムドメインの4つに事業がまとめられている。自動車用のターボチャージャーは機械・システムドメインの一角を占める事業だ。

「当社のターボチャージャーには、航空機用ジェットエンジンや発電用の蒸気タービンやガスタービンなどを開発、生産している技術が応用されています。ターボ機械は、技術のシナジーによって成り立っている製品なんです」。そう語るのは機械・設備ドメイン自動車部品事業部ターボ技術部次長の佐俣 章氏だ。今回、三菱重工の相模原地区工場を訪れ、ターボチャージャーに関する話を伺うことができた。

当然のことながら他のターボチャージャーメーカーも、様々な技術的バックボーンを有してはいるだろう。しかしながら同社のターボ技術のバックボーンは、ターボメーカーとしては非常に広く、深いものだ。

「ターボチャージャーは簡単な機械に見えますが、実は高度で複雑な設計と生産技術の上に成り立っているんです。例えば内部の排気ガスや空気の流れを効率良くするための空力設計技術、最大20万rpmにも達するタービンを支える高速軸振動安定化技術、1000度を超える排気ガスに耐え、機能を維持するための高温強度設計技術など、大きく挙げただけで3種類の高度な技術がベースになっています」。

もちろん、その根底には日本の製造業ならではの、ものづくりへのこだわりの姿勢がある。

三菱重工のターボチャージャーは、一番小さい軽自動車用のTD02からバス・トラック用のTD08H、さらには産業用や船舶用の巨大なターボチャージャーまで幅広いサイズがラインナップされている。取材にうかがった神奈川県の相模原地区工場では生産されておらず写真で見せてもらっただけだが、最大級の大型船舶用ターボは人より大きく、旅客機のジェットエンジンかと思うほどの大きさだ。

三菱重工は乗用車用ターボチャージャーの年間1000万台生産体制に向けて、今後も生産工場の生産能力を増強していく計画だと言う。そんなターボ工場の生産方法も他の工業製品とは異なる独特なものであった。
《高根英幸》

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