森田芳光監督三回忌を機に、往年のデビュー作続編が制作決定

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北川景子&故・森田芳光監督/映画『の・ようなもの のようなもの』(仮題)
  • 北川景子&故・森田芳光監督/映画『の・ようなもの のようなもの』(仮題)
  • 松山ケンイチ&故・森田芳光監督/映画『の・ようなもの のようなもの』(仮題)

多くの映画人、映画ファンに惜しまれながら2011年12月に急逝した森田芳光監督。そんな森田監督の死からもうすぐ3年が経とうとしている。そんな中、先日発表された1本の映画が、ファンの間で話題を呼んでいる。彼を慕う旧知のスタッフ・キャストが再集結し、主演に松山ケンイチを迎え、森田監督デビュー作『の・ようなもの』('81)のその後を描くオリジナル作品『の・ようなもの のようなもの』(仮題)。

このほど本作のヒロイン役で、森田監督を恩師と慕う女優・北川景子が出演していることが発表され、北川さんからおよそ1000文字にもおよぶ長文コメントが到着した。

本作の舞台は、現代の東京の下町。落語家一門の出船亭に入門した志ん田(しんでん/演:松山ケンイチ)は、師匠の志ん米(しんこめ/演:尾藤イサオ)に頼まれ、以前この一門に在籍していた志ん魚(しんとと/伊藤克信)を探し出す羽目になる。

実はこの一門を財政的に支えてきたスポンサーの女会長は、クリクリした目玉が大好きという理由で志ん魚を贔屓にしており、志ん米師匠は彼女のご機嫌を取るため、志ん魚をもう一度高座に引っ張りだそうという考えだ。志ん魚を探し回る志ん田。師匠の弟弟子の志ん水(しんすい/演:でんでん)や、昔の門下生たちを訪ね、手がかりを集めようとするが、まったく上手くいかず――。

森田監督作『間宮兄弟』('06)でスクリーンデビューを飾って以降、松山ケンイチと共に出演した『サウスバウンド』('07)、チョイ役でも出たいと『わたし出すわ』('09)に特別出演と、森田監督に熱く尊敬の念を抱いていた北川さん。森田監督が亡くなった際、葬儀ならびに告別式の場で人目をはばからず号泣し、各メディアが大きく報じていたことも記憶に残っている人も多いだろう。

そんな北川さんは本作では、志ん米師匠のひとり娘・夕美役を演じることとなる。今回の出演には並々ならぬ想いがあったようで、渾身の想いで撮影に臨んだとのこと。今回届いた長文コメントは、その片鱗を感じさせるものとなっている。

<北川景子/コメント全文>

「『間宮兄弟』という映画でスクリーンデビューさせて頂いていて、その時からほとんどのスタッフの皆さんが変わっていなくて、杉山組(※本作の監督・杉山泰一)だけど、森田組そのものというか、“また戻ってきた”という感じがしました。『間宮兄弟』の合格をもらった時に、『の・ようなもの』のビデオテープを渡されて、何度も見ていたので、そのオリジナルの作品のキャストの皆さんが集結する現場を見た時は、感動して鳥肌が立ちました。映画のデビューの時に、森田監督の現場を体感できたことは、すごく大きかったと思います。

『間宮兄弟』のクランクアップの時に、森田さんが『女優をやめないでくださいね』って言ってくださったことがあって、これまでやめようかなと思った時もあったんですけど、その一言が最後の勇気になって、辞めずに続けられているので、その言葉がすごく胸に残っています。映像にこだわってやってこれたのは、森田さんのおかげだと思っています。亡くなった時は、前触れもなかったですし、ショックというか、ビックリしました、嘘かなと最初思いました。

今回、声をかけて頂いたことはすごく嬉しいし光栄でした。錚々たる面々の女優さんが森田さんとご一緒されている中で、今回松山さんの相手役にと言って頂けたのは、ラッキーでしかないというか、自分で良かったのかなというのはちょっと思いますけど、でも嬉しかったです。このチームと出会えたのは(『間宮兄弟』の時の)夕美という役がきっかけだったので、みんなが、『あ、夕美が帰ってきたな』って楽しくなれるような、面影を沢山残した役にしたいなと思っていました。すごく純真で、天真爛漫で、明るくてパワフルっていうのが夕美のいいところだと思うので、そういうところは年をとっても変わらないところかなと思ったので、『間宮兄弟』の時のまま、きちんと残しつつ演じようとしました。

夕美という役はすごく自分にとっても思い入れの強い役でもあるんです。森田さんはいつも、口を片方だけあげて笑ってくれていたんですが、だからそうやって笑ってもらえるようにしたいなというのが、一番強い思いかもしれません。亡くなった時は心が折れそうになったんですけど、悲しんでるだけではよくないですから、なるべく森田さんのやってた事を継承できるように、松山さんも含めてですけど、我々で頑張っていきたいと思ってます」。

「私」ではなく、最後の「我々」という言葉は、まさに森田組の一員であることの証だろう。その決意と共に、どんな役を演じてみせるのか? 続報に注目があつまりそうだ。

『の・ようなもの のようなもの』(仮題)は2015年、全国にて公開。

北川景子から異例の長文コメント!恩師・森田監督への想い…『の・ようなもの』続編でヒロインに

《text:cinemacafe.net》

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