「俺が年を取ってお世話になるにしても、もっと格好のいいものに乗りたい」。スズキのある役員は自社のセニアカーを見て、こう言った。
そんなこともあって、スズキではこれからのいろいろなモビリティを考える中で、新しいセニアカーもつくって見ようとなった。そして生まれたのが、今回参考出品した都市型電動車いす『UTコンセプト』だ。
障害物や段差を回避する先進予防安全技術を盛り込み、都市部での歩道環境に適したコンパクト性と小回り性を実現した。そして、バッテリは着脱式にし、利便性も向上させた。操作は操舵レバーで行う方式を採用し、右手元にスマートフォンタイプのパネルを設置。後方をカメラで確認できるようにした。今ある技術をすべて入れたそうだ。
「実は、最終的に残った案が10案あって、当初はこれではなく、一番オーソドックスで無難なものにしようという方針だったんです。しかし、せっかくコンセプトとして出すのなら、一番思い切ったデザインのものにしようと、これに決まったのです」と同社関係者は打ち明ける。
実際の商品としてこのUTコンセプトが世の中に出るか今のところ未定だが、来場者からはそのスマートさで注目を浴びていた。