首都高の湾岸線大井ジャンクション(JCT)と3号線大橋JCTを結ぶルートで建設が進められている中央環状品川線山手トンネルの内部が10月2日、報道陣に公開された。
中央環状品川線は総延長が9.4kmで、大井JCT付近を除く8.4kmがトンネル構造となっている。首都高速道路東京建設局遠山雄一局長によると「トンネルのうち大井JCT側が目黒川の下に位置し、大橋JCT側が山手通りの地下を縦断的に通過している」という。
中央環状品川線は2015年3月開通予定で、これにより中央環状線の全線が完成することになる。またすでに供用されている中央環状線山手トンネルの渋谷~池袋線区間とつながると「高速道路のトンネルとしては世界最長の18.2kmの総延長になる」としている。
今回報道陣にはトンネル内部に加え、五反田入口部も公開された。五反田入口部は山手通り外回りの右側車線から入るように中央分離帯部分に設置されているが、首都高には左側車線(走行車線側)から合流する構造になっている。
というのも、品川線山手トンネル内では、地上の山手通りとは逆の方向で通行するように左右を逆転させているからだ。しかも外回りと内回りのトンネルは独立した構造になっていて、ドライバーから反対車線が見えないため、違和感なく走行できる。
品川線山手トンネルを担当する首都高東京建設局の並川賢治建設部長は「狭い山手通りに出入口を造らなければならなかったので、こうした工夫が必要になった」と明かす。
これにより走行車線側から合流できるようになっただけではなく、「通常歩道は左側にあるので、何かあって逃げる際には人間の心理としては左側に向かう。品川線山手トンネルでは左側にいくことで隣のトンネルに行ける構造になっているので、避難する際の安全性を確保できる」という。