スタート直後、いきなりの波乱が待っていた。2コーナーで中団以降のグループに多重クラッシュが発生し、ここまでドライバーズチャンピオン争いの1位と2位だったジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 Lenovo TEAM IMPUL/トヨタ)とアンドレ・ロッテラー(#36 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)がともに戦列を去る事態となってしまったのだ。オリベイラは今回予選11位、ロッテラーは予選3位ながらもスタートの出足が良くなく、中団に落ちていたが、まさかのオープニングアクシデントで両雄0周リタイアの大波乱。レースはセーフティカー(SC)導入となる。
「スタートも決まって、タイヤのセーブも考えつつ走っていましたが、そのなかでクルマの状態はいいという手応えをつかむことができました。チームの作戦(給油時のタイヤ交換は左リヤ1本のみ)もベストなものでしたし、1年目で優勝できたことは自分にとってはもちろん、(今季初優勝の)チームにとっても、そしてここまで(巻き返しに向けて)努力してきたホンダにとっても、良かったと思います」と語る野尻に、チームを率いる村岡潔監督は「ここから、が楽しみです。手強い先輩選手たちに(本当の意味で)揉まれていくことになると思いますから」との旨を語り、祝福と激励を与えていた。DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの優勝は、昨年開幕戦で当時在籍の伊沢が勝って以来。
決勝2位は中嶋一貴(#37 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)。これで一貴はチャンピオン争いのトップに浮上し、決勝3位のロイック・デュバル(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)、同4位のジェームス・ロシター(#3 KONDO RACING/トヨタ)、同6位の石浦宏明(#38 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)、そして9位だった国本と今回無得点のオリベイラ、ロッテラーを含めた計7人にドライバーズチャンピオン獲得の可能性が残り、最終戦へと向かう形勢になった。
今回の決勝5位は中嶋大祐(#31 NAKAJIMA RACING/ホンダ)。ポール発進の山本尚貴(#1 TEAM 無限/ホンダ)は7位で、平川亮(#7 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)が8位、20番グリッド発進だった小暮卓史(#32 NAKAJIMA RACING/ホンダ)が10位に入っている。