国立天文台は、アルマ望遠鏡をはじめとする電波望遠鏡を使って、37の衝突銀河の観測によって、銀河同士が衝突した後、高い確率でガスの円盤構造を持つ銀河が作られることを初めて確認した。
今回の発見は、天の川銀河のような円盤銀河の起源に迫る、重要な成果となる。
国立天文台で研究を行う植田準子氏(日本学術振興会特別研究員)が率いる国際研究グループは、衝突の最終段階にある37個の銀河における分子ガスの分布を、世界中の電波望遠鏡の観測データを使って調査した。分子ガスが放つ電波を検出できた、30個の衝突銀河のうち、24個の衝突銀河で、分子ガスが円盤状に回転していることを突き止めた。
このうちの半分は、銀河中心部の星の集合体よりも大きく広がったガス円盤を持っていることも分かった。ガス円盤の中で将来的に多数の星が作られると、結果的にこれらの銀河は星とガスの円盤を持つ円盤銀河に進化していくと考えられる。
今回の研究成果は、8月発行の米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル・サプリメント」に掲載された。