ヤマハ発動機は9月12日、次世代小型エンジン『ブルーコア』を開発、新興国および先進国に導入する様々な機種に搭載し、2020年までに3つのエンジンバリエーションで500万台の生産を目指すと発表した。
第1弾としてベトナムで発売した女性向け125ccスクーター『ノッツァ グランデ』に搭載。2008年の自社モデル比で50%以上の燃費向上を達成したとしている。
ヤマハ発動機の三輪邦彦上席執行役員は同日、都内で開いた事業説明会で、ブルーコアについて「4輪系のトヨタのエンジンを担当している者や、マリンで定常回転でずっと回すのが得意な人など、社内中のエンジンの人たちを集めたスペシャルチームをつくり、燃費を良くするために何が必要かということをゼロスタートでやった」と開発の経緯を明かす。
具体的には「圧縮比を上げて高いトルクを発生させる。そして希薄燃焼を可能にする技術を使っている。圧縮比は水冷並みの11.0。ただ背反する熱に関しては、ピストンクーラー、空冷ファンの形状を変えて非常に効率の高い冷却性能を発揮している。フリクションはオフセットシリンダーを使ってロス馬力を低減するとともに、ベルト系および駆動系に新しい材料、表面処理を駆使して対応している」と説明。
今後の車種展開に関しては「お客様の個性に合わせてバリエーションを展開する。お客様の中にはゆったりした走りを望まれる方、もう少し機敏に走りたいという若者もいらっしゃる。このブルーコアの技術は基本のエンジンをベースにそれぞれ特徴に合わせた進化をさせられる」と述べた。