一瞬の沈黙。そして沸き起こる、拍手と歓声。会場内は大騒ぎになる。それもそのはず。スティーブ・ジョブズ氏が逝去し、ティム・クック体制になってから「One more thing」はいちどとして使われなかったからだ。今や伝説となったOne more thingのあとに、Apple Watchの紹介が始まった。
Apple Watchのデバイスで注目なのは、デジタルクラウンの部分だけではない。UIを司るTAPTIC ENGINE、1チップに超高密度に集積されたS1プロセッサーなどが内製化されており、Appleのデバイス作りのノウハウが活かされている。さらに内部にはNFCモジュールなども入っており、その実装密度はかなり高い。音声入力インターフェイス「Siri」を使うためのマイクやスピーカーも内蔵されている。そしてApple Watchの背面側を見れば、心拍数や脈拍数を図るためのセンサーやMagSafeで培われた技術を用いたマグネット式充電機能などが備わっている。
Apple Watchを実際に腕につけてみたところ、予想以上に軽く、装着感はとてもよい。重量やサイズなど詳細は明かされていないが、自然な感じで付けられそうだ。またApple Watchの特長であるデジタルクラウンは、竜頭部分をクルクルと回転させたり、押し込むことで様々な操作ができる。その動きはとてもスムーズであり、形は違うが、かつてiPodが搭載していたクリックホイールに通じる気持ちよさがあった。
Apple Watchはこのデジタルクラウンとマルチタッチパネルを組み合わせて操作を行い、本体側からは振動によるフィードバックがある。まだ開発段階ながらその操作感は良好であり、製品版への期待がいやが上にも高まった。