東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(カブリIPMU)のウィプー・ルジョーパカーン特任研究員を含む、米国アリゾナ大学などの研究グループは、赤外線望遠鏡で巨大小惑星が衝突する様子をとらえた。
研究チームは、米国航空宇宙局(NASA)のスピッツァー宇宙望遠鏡を使い、ほ座内にある地球から約1200光年離れたNGC2547星団内の「ID8」と呼ばれる約3500万歳の若い恒星の赤外線観測を定期的に行っていた。赤外線観測により、恒星系内のダストの温度や量がわかる。この観測中、突然ダスト(塵)の量が劇的に増加したのを発見した。この現象は、岩石でできた、2つの巨大な天体が激しく衝突して起きたと解釈できる。
地球のような岩石惑星は、長い年月の間、このような衝突を繰り返して形成されると考えられている。今回の結果は大規模な衝突の前後を通して観測した初めての例で、岩石惑星の形成についての理解を深めるものとなる。
今回の研究成果は、米国科学振興協会発行の論文誌「Science」8月29日号に掲載される。