【INDYCAR 第18戦】ウィル・パワーが2014年のチャンピオンに輝く…琢磨は最終戦6位

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
過去3度もシリーズ2位に甘んじた雪辱を晴らした#12 パワー。写真:INDYCAR
  • 過去3度もシリーズ2位に甘んじた雪辱を晴らした#12 パワー。写真:INDYCAR
  • 2014年のインディカー・シリーズでドライバーズチャンピオンに輝いたウィル・パワー。写真:INDYCAR
  • 佐藤琢磨は最終戦決勝6位。写真:Honda
  • #12 パワーがタイトルを獲得。写真:INDYCAR
  • #10 カナーンは今季初優勝。写真:INDYCAR
  • 最終戦の表彰式。左から2位ディクソン、優勝カナーン、3位カーペンター。写真:INDYCAR
  • カストロネベスはポールを奪い、逆転王座を狙ったが、果たせず。写真:INDYCAR
  • 最終戦は2マイルオーバルでの戦い。写真:INDYCAR

現地30日、インディカー・シリーズは今季第18戦(最終戦)の決勝レースを米カリフォルニア州フォンタナで行ない、ウィル・パワーが2014年のドライバーズチャンピオンを獲得した。佐藤琢磨は最終戦6位。

実質的にはTeam Penske(エンジンはシボレー)の両名、パワー(#12)とエリオ・カストロネベス(#3)の同門対決という図式になって最終局面を迎えた今季のチャンピオン争い。ともに過去3度のシリーズ2位がある者同士、悲願の初王座争いでもあるが、前戦終了時点でパワーが51点リードと優位を築いていた。しかし、フォンタナの2マイルオーバルを舞台とする最終戦の予選では、カストロネベスがポールを獲得したのに対し、パワーは21位(予選出走22台)。長い500マイルレース(ダブルポイント)の末に栄冠をつかむのはどちらか、予断を許さない状況で戦いは250周の決勝レースへと突入した。

カストロネベスがほぼトップ5圏内でレースを進め、パワーがじわじわと追い上げる展開のレースは、フルコースコーション1回のみの比較的平穏な展開となるが、180周手前頃に起きた唯一のコーションがチャンピオン争いを事実上決した。多くのマシンがほぼ一斉にピットストップをこなしたなかでパワーがついにトップ5圏内へと上がり、カストロネベスとの接近状況が生まれたのだ。仮にカストロネベスが優勝して、ボーナスポイントをフルに得た場合でも、ここまでのポイントで大きくリードしているパワーは、カストロネベスの近くにいさえすれば間違いなくタイトルを獲れる。この時点で王座争いの趨勢は決まった。

リスタート後、パワーはカストロネベスをパスし、一時はトップにも立つ気迫を見せる。一方のカストロネベスはドライブスルーペナルティを取られるエラーも重なり、万事休す。最終的にカストロネベスはこのレース14位。やはり9位まで後退はしたものの、パワーが王座獲得を決めた。

新チャンピオン、パワーはオーストラリア出身の33歳。2010~12年に3シーズン続けてシリーズ2位になるなど近年は常に上位で活躍しながら、どうしてもタイトルに手が届かなかったが、この日、ようやく宿願を果たした。「長い間のハードワークだった。自分がチャンピオンになったことがまだ信じられないし、現実のこととは思えないくらいだ」と語り、パワーは喜びに浸った。

敗れたカストロネベスはブラジル出身の39歳。インディ500では3勝もしているが、2年連続4度目のシリーズ2位で、初王座戴冠はまたもお預けに。それでも「(パワーと)チームでシリーズ1-2したことは素晴らしい」と語り、ゴール後には笑顔を見せていた。

最終戦の優勝はトニー・カナーン(#10 Chip Ganassi Racing/シボレー)で今季初。2位にはスコット・ディクソン(#9)が続き、 Chip Ganassi Racingの1-2フィニッシュとなった。3位はエド・カーペンター(#20 Ed Carpenter Racing)、4位はファン・パブロ・モントーヤ(#2 Team Penske)でここまでがシボレーエンジン勢。ホンダ勢最上位は5位のジェームス・ヒンチクリフ(#27 Andretti Autosport)だった。

予選で4位という好位置を得た琢磨(#14 A.J. Foyt Racing/ホンダ)は、前戦で記録した今季決勝最上位の4位を更新する活躍が期待されたが、最終戦決勝は6位。「単独で走る状況ではマシンにスピードがあったが、トラフィック(混戦)になった時の速さが欠けていたと思う」とこの日のレースを振り返り、シーズン全体については「最後の2戦で好成績を残せたし、多くを学んだシーズンでもあった。チームはシーズンを通して素晴らしい仕事をしてくれた。スポンサーの方々にも深く感謝したい」と語った。そして「友人のウィル・パワーがチャンピオンになったことを嬉しく思う」と、不運続きなシーズンを悔しく思っているであろう状況のなかでも、ライバルへの賛辞を忘れなかった。

今季のインディカー・シリーズは全18レースの幕を閉じた。来季もまた、このアメリカ最高峰レースでは激戦が展開され、数多くのドラマが生まれることとなるだろう。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集