【メルセデスベンツ Cクラス 試乗】クルマづくりを大きく変えてしまった…飯田裕子

試乗記 輸入車
メルセデスベンツ C180 アバンギャルド
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少々嫌らしい話から始めてしまうけれど…。燃費向上にも走りにも効果的な軽量ボディの開発にこだわった新型『Cクラス』は高価なアルミを先代の約5割増しで使用し、高張力鋼板や熱間成形スチールなどの採用率も高め適材適所に採用。するとそれらを高い品質を保って接合する技術を採用する工場を準備する必要があるが、当然ながらそれを実現させている。

加えて『Sクラス』や『Eクラス』にも採用する安全装備を多用した「インテリジェントドライブ」や、質感がグッと高まったエクステリアやインテリアを与えられ、価格は400万円前半から。

このクラスのクルマづくりの基準を大きく変えてしまったと言わざるを得ない。例えばエクステリアデザインはこれまでのCクラスの中で最もアグレッシブかつ品よく艶やかなデザインが与えられた、という印象はSクラス譲りと言っても大袈裟ではない。そしてそれらがこのモデルにどう活かされているのかに注目すれば…。

「C180」から秋に発売を開始する「C250」までの4モデルは、2種類のエンジンのチューニングを変え出力が異なることで、4タイプの乗り味やパフォーマンスが用意されていた。

実は先日、ドイツで「C250」に搭載される2リットル直4ターボエンジン(211ps/350Nm)にも試乗できたけれど、エンジン出力が上がるほど余裕があり静粛さも増すため、上質なムードもアップする。

が、1.6リットル直4ターボエンジンを搭載する「C180」(156ps/250Nm)でも、新型Cクラスの真髄=軽量ボディを活かした乗り心地のいいスマートな走りは得られる。唯一、個人的に気になる点をあげるとすれば、直噴エンジン特有の低い「ガラガラ…」という音がもう少し収まるといいと思う。が、これについてはメルセデスが搭載する直4直噴ターボそのものの気になる点なので、新型Cクラスのみならず…という点だ。

モデルによって、また選べるオプションによってサスペンションの仕様が異なるものの、新型Cクラスの基本的なドライブフィールはカッチリ、キビキビ、軽快な印象のベースに重厚な手応えが加わる。路面をタイヤが捉える様子がステアリングを握る手元に伝わったときの適度な重さとレスポンスが上々だからなのだ。これは単にスポーティな印象を与えるだけでなく安心感に繋がるはず。

実は北海道で一日たっぷり試乗できた新型Cクラスの魅力は、デザイン(見栄え)も効果的にクオリティの高さを感じさせてくれるインテリアに包まれた居心地の良さだった。後席の足元が広くなっているのでシートの座面奥行がもう少し欲しいところではあるものの、少なくとも運転をしていたときの室内の雰囲気の良さは特筆しておきたい。そこに満足度の高い走りや安全性を装備しているのだから、このフルモデルチェンジの意義も価値は嫌らしいどころか極めて健全で、大きいと言える。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア:★★★★
居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

飯田裕子|自動車ジャーナリスト協会会員
現在の仕事を本格的に始めるきっかけは、OL時代に弟(レーサー:飯田章)と一緒に始めたレース。その後、女性にもわかりやすいCar & Lifeの紹介ができるジャーナリストを目指す。独自の視点は『人とクルマと生活』。ドライビングインストラクターとしての経験も10年以上。現在は雑誌、ラジオ、TV、シンポジウムのパネリストやトークショーなど、活動の場は多岐にわたる。

《飯田裕子》

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