9日、SUPER GT第5戦の公式予選が静岡県の富士スピードウェイで実施され、ホンダNSXコンセプト-GTの塚越広大&金石年弘がGT500クラスのポールポジションを獲得した。GT300クラスはスバルBRZの佐々木孝太&井口卓人が首位。
日本のほぼ全域が台風11号接近の影響を受けるなか、この日の富士は朝から曇り。この時季にしては涼しめで、昼前後からは時折、雨のパラつきも見られるようになる。午後2時に開始された2段階ノックアウト式の公式予選は、Q1からGT300のQ2実施段階までは、ほぼ雨の影響がない状況で推移したが、最後のセッションであるGT500のQ2になって大きな影響を受けた。
まさに各車がタイム計測に入ろうかという頃合いに雨が強くなる。ドライ路面用のスリックタイヤではドライ時の20秒落ちのタイムしか出ない状況を見て、レインタイヤへの交換に走る陣営が増え、セッション後半はトップタイムが目まぐるしく更新される展開に。しかしながら最終的にポールを手中にしたのは、スリックタイヤのままコースにとどまり続けていた#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT（塚越&金石/タイヤはブリヂストン＝BS）だった。雨が弱まってきた終盤、残り1分を切ったところで塚越が1分37秒306（ドライ時の8秒前後落ち）をマークしてトップに立つ。するとその後、他車がこのタイムを上まわることはなく、#17 NSXのポール獲得が決定した。
開幕戦から苦しい戦況が続いてきたNSX勢。だが、前戦から車重等の参加条件が少し緩和されたことも影響したようで、#17 NSXがGT500でのホンダ勢今季初表彰台（3位）を獲得するなど、反撃の予兆は見られていた。シリーズも今回が5戦目ということで、レクサス、日産のシリーズランク上位勢は成績連動のウエイトハンデが嵩んできているのも事実。天候のアヤを含め、#17 NSXはチャンスを最大限に活かしてポールを射止めた格好である。
ナイスランを見せた塚越は、「すごく難しい路面状況でしたけど、こういう時に強さを見せることができたのは、良いチームになった証拠だと思います。勝智さん（金石監督＝元トップレーサーで、年弘の従兄）が僕を信頼してくれて、『そのまま（スリックのまま）行くぞ』と決断してくれました」との旨を語り、自身の好走とチームの好判断、そしてNSXコンセプト-GTの初ポール獲得を喜んだ。
GT500の予選2位は日産の#23 MOTUL AUTECH GT-R（松田次生&R.クインタレッリ/ミシュラン＝MI）。3～4位には#8 ARTA NSX CONCEPT-GT（V.リウッツィ&松浦孝亮/BS）、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT（小暮卓史&武藤英紀/BS）とホンダ勢が並び、6位にも#18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT（山本尚貴&F.マコヴィッキィ/MI）がつけた。レクサス勢最上位は5位の#39 DENSO KOBELCO SARD RC F（石浦宏明&O.ジャービス/BS）。
GT300クラスのポールは#61 SUBARU BRZ R&D SPORT（佐々木&井口/MI）が獲得した。ポールは今季2度目、フロントロー獲得はこれで4戦連続である。2位は#31 OGT Panasonic PRIUS（新田守男&嵯峨宏紀/ヨコハマ＝YH）。以下、2～4列目にはホンダCR-Z、日産GT-R、BMW Z4がそれぞれ並ぶ形勢となった。
3位 #0 MUGEN CR-Z GT（中山友貴&野尻智紀/BS）
4位 #55 ARTA CR-Z GT（高木真一&小林崇志/BS）
5位 #3 B-MAX NDDP GT-R（星野一樹&L.オルドネス/YH）
6位 #30 IWASAKI apr GT-R（岩崎祐貴&影山正美/YH）
7位 #4 グッドスマイル 初音ミク Z4（谷口信輝&片岡龍也/YH）
8位 #7 Studie BMW Z4（J.ミューラー&荒聖治/YH）
明日（10日）は雨の予報。天候の状況次第では変更等の可能性も考慮されるが、決勝300kmレース（66周）は15時にローリングラップスタート予定となっている。
