【ダイハツ コペン ローブ MT 試乗】爽快な“操るための乗り物”、シフトレバーの遠さは残念…岩貞るみこ

試乗記 国産車
ダイハツ・コペン ローブ MT
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日本の道からMT車が激減したのは、クルマが移動の道具に成り下がったからだ。しかし『コペン』は違う。操るための乗り物。操作ひとつひとつが、楽器を奏でるための手指の動きが決まったときと同じように心躍らせてくれる。

1速~2速~3速。クラッチペダルを踏みながら、短めのシフトレバーを操作していくと、ドーパミンが噴出して気持ちよく速度が上がっていく。聞こえてくるのは、エンジン回転数に比例して車内に響く排気音だ。オープンにすればなおだが、クローズド状態でも低音から伸びる音が耳に心地いい。

音に十分に聞き惚れていられるのは、コペンのボディ剛性がしっかりしているせいもある。軽自動車ならではの全長の短さ=ホイールベースの短さは、ハンドルの動きに俊敏に向きを変えるものの、不本意な不安定さはほとんどない。動きが狙い通りにぴたっと決まり、ドライバーは安心してアクセルを踏み込んでいけばいい。コーナーを立ち上がるときの爽快感に、思わず口元がゆるんでしまう。

ただし、個人的には不満もある。運転に専念するにはまずはドラポジなのだが、シフトレバーが遠い。一番使う3速に入れたとき、当たるのは人差し指と中指の付け根あたり。できれば親指の付け根の手のひらあたりでぐっと押し込めれば、もっと使いやすいのにと思う。一速に至っては、さらに左(運転席から遠い方向)へぐっと押しやるため肩の位置が動いてしまいそうだ。女性の場合、肩周辺の骨格や肉付きが男性と違うためかもしれないけれど、この使いにくさはちょっと残念。頻繁に使う2速~3速は、もう少しさくっと動かしたい。

加えて、MT不安を払拭するために、坂道発進のときに効果を発揮するヒルスタートアシストをつけて欲しいと思ったり。スポーツカーにそんなもの! と、言われそうだけれど、MT乗りたい、でも、坂道発進がいやで踏み込めない女性(草食男子も)ってきっといると思う。開発者の方、ぜひ、ご一考を。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省 安全基準検討会検討員他、委員を兼任。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「ハチ公物語」「しっぽをなくしたイルカ」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。最新刊は「法律がわかる!桃太郎こども裁判」(すべて講談社)。

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