6月の世界耐久選手権(WEC)第3戦ルマン24時間レースのフリー走行で大きなクラッシュを経験したロイック・デュバルが、FIAとFFSA(フランスのJAF相当組織)から「時間経過が充分でない」との判断を受けたため、今回のSF富士戦は欠場に。その代役としてKYGNUS SUNOCO Team LeMans(エンジンはトヨタ)の8号車に搭乗したのがカルダレッリで、野球で言えばまさに「代打ホームラン」(チーム関係者談)をかっ飛ばした格好である。
イタリア出身、24歳の若手カルダレッリは、今季SUPER GT(GT500クラス)の開幕戦で優勝するなど、日本のトップレースではすでにお馴染みの存在だ。SFでも、昨年デュバルがWECとの日程重複で欠場した際にはやはりKYGNUS SUNOCO Team LeMansで代役を務めるなどしていた。とはいえ、今年は新車イヤーであり、簡単な状況のシーズン初参戦ではなかったはずだが、前日(11日)の練習走行から予選当日朝のフリー走行、そして午後のノックアウト予選Q1~Q2をすべて2~6位と安定して上位で走り抜け、最後のQ3で見事にトップを獲ってみせた。
SFではトヨタ対ホンダのエンジン対決も焦点のひとつだが、新車「SF14」投入に併せてエンジン規格も直噴2リットル直4ターボに変わった今季は、ここまでトヨタ優位の流れ。約2カ月のインターバルを経ての今回も状況に大きな変化はなく、予選上位6位までをトヨタ勢が占めた。2位がジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 Lenovo TEAM IMPUL)で、3位はジェームス・ロシター(#3 KONDO RACING)。中嶋一貴(#37 PETRONAS TEAM TOM’S)が日本人選手最高の4位で、5~6位は石浦宏明(#38 P.MU/CERUMO・INGING)、アンドレ・ロッテラー(#36 PETRONAS TEAM TOM’S)の順。ホンダ最上位の7位は山本尚貴(#1 TEAM 無限)だった。