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【カロッツェリア サイバーナビ AVIC-ZH0099H インプレ】カーナビ進化の歴史を体現した最新モデルの実力は

自動車 テクノロジー カーナビ/カーオーディオ新製品

カロッツェリア『サイバーナビ』のオーナーになって最大の喜び、それはカーナビの最先端を常に体験できることにある。パイオニアは1990年に世界初の市販GPSナビゲーション「AVIC-1」を発表した後、1997年には日本初のDVD採用ナビとして初代サイバーナビを立ち上げ、2001年にはHDDナビを発売。それまでCDをメディアとしていたカーナビ界に大容量データ時代をもたらした。

以来、PC連携機能や、リアルな風景の中をルートガイドする「ソリッドシティガイド」、プローブ情報に基づいた「スマートループ」など、サイバーナビは様々な革新的な新機能をライバルに先駆けて採用し続けてきた。

中でも記憶に新しいのが2011年に登場した「ARスカウターモード」だ。カメラで捉えた実際の風景内にルートガイドを表示するかつてない新機能に、多くの人がカーナビの可能性を感じたはずだ。そして、この機能はフロントウィンドウにルートガイドを重ねて表示する「HUDドライバーモード」へと進化を遂げる。さらに昨年モデルでは、この機能にスマートループを組み合わせる「スマートループ・アイ」を登場させる。この時点でサイバーナビはまさに“未来”を切り拓くカーナビとして頂点を極めたと言っていいだろう。


◆ワイド2DINモデル投入で選択肢が拡大

そのサイバーナビの2014年モデルは、新機能を投入するのではなく頂点を極めた革新的機能をブラッシュアップする、いわば“熟成”の世代となった。それでも従来からの1DIN+1DINと2DINサイズに加え、新たにワイド2DINモデルをラインナップしてより幅広いユーザーに対応できる展開としたことは見逃せないポイントだ。

“ワイド2DINモデル”とは、トヨタ車/ダイハツ車/日産車/スバル車のワイドコンソールにジャストフィットする幅200mmの幅広サイズを採用したモデルのことで、画面サイズこそ7型ワイドのままだが、幅が広がった分だけ操作系に余裕が生まれる。サイバーナビのワイド2DINでは右側に操作系を集中配置し、ロータリーボリュームを採用。大多数の右ハンドル車にとって一段と操作しやすい環境をもたらしている。

このモデルに触れて実感できるのは、操作を通じて感じられるその高い質感だ。ロータリーボリュームは手に馴染むシットリとした感触を持ち、回転させると心地良さを伝えてくる。見た目にも周辺のダーククロームの金属調素材と合わせ、洗練された趣きを演出している。フラッグシップモデルのサイバーナビらしさを実感できるワイド2DINモデルと言えるだろう。


◆レスポンス向上でストレスなく使える

今回試したのは、ランドローバー『レンジローバー イヴォーク』に搭載された180mmの2DINモデル。まずはブラッシュアップされた部分に着目しよう。触れてすぐにわかるのが、従来よりもはるかにスムーズな動作を実現していることだ。パイオニアによればこれはハード的な改善というよりはアルゴリズムの改善によって実現できたものだそうで、これで地図スクロール速度はほぼ2倍。従来よりもサクサクとした動作を感じられるようになったという。

電源を入れてまず違いを感じるのが起動時間だ。3年ほど前のサイバーナビと比較すればその差は明らかで、目的地設定も素早く行える。操作時の応答性も格段に向上しており、コマンド入力もストレスなく終えることができる。画面の切り替えも以前よりも良くなったように感じた。

さらに画面のドラッグ&フリック操作にも対応するなど、スマホ時代に合わせたインターフェイスとなっている。その他、ルート探索結果画面で乗り降りICを選べるようになったり、ステアリングリモコンケーブルに標準で対応するなど、劇的な進化とまではいかないが機能面での着実な進化も遂げている。

一方で、フロントウィンドウから見える風景に重ねてルートガイドを表示できる「AR HUDユニット」や、カメラを通して様々な情報を捉え、画像やアラートによってドライバーへの注意喚起を行うための「クルーズスカウターユニット」は昨年モデルから踏襲した。最新の「スマートループ アイ」は機能こそそのままだが、画像が収集される地点を、4月から従来の約5000ヶ所から約7000ヶ所に増やしてサポートを行っているという。


◆トレンドの音声認識機能も進化

ところで、昨年モデル辺りからフリーワード入力で目的地検索ができる機種が相次いで登場し始めている。従来の音声認識とは違い、レストランを探すときは「お腹減った」「ご飯食べたい」といった、普段使いのキーワードで対象施設を探すことができるというものだ。この技術が登場した背景には、通信回線の常時接続が可能となり、入力されたコマンドをサーバー側で処理できるようになったことがある。つまり、カーナビよりもはるかに高度な処理が可能になったからこそ実現した技術なのだ。

サイバーナビはこの機能に対しても取り組みが早かった。今でこそスマホとの連携により常時接続が可能となったが、サイバーナビは2011年に通信モジュールを標準装備。この時点でサーバーを介したフリーワード検索を実現していたのだ。今回、この機能を試してみると、その実力の高さに改めて驚かされた。

「鎌倉にあるイタリアンレストラン」というと、これだけで対象リストを表示。もちろん、「お腹減った」「近くの空いている駐車場」といったキーワードを入れても次々と候補をリストアップ。サイバーナビはこの機能をあまりアピールしてこなかったが、実はこの部分でもライバルに先駆けて実現していたのだ。

通信モジュールは3年間に渡って無料で使え、地図更新についても3年分の無料更新が可能となっているのはこれまでと同じ。それ以降も通信料を支払えば継続して利用する頃ができる。もちろん、地図データやCDDBデータは最新版へと切り替わっている。


◆カロッツェリアXで培ったハイエンドオーディオテクノロジーをフィードバック

サイバーナビのもう一つの魅力、それは音の良さにもある。カーオーディオで一番困るのは試聴位置が固定化されてしまうこと。ホームで聴く場合は、自分が動いて最適なポジションが選べるがクルマではそれは不可能。その結果、最も近いスピーカーの音だけが強調されることになり、音楽としてアンバランスなサウンドを聴かされることになってしまう。

これに対してサイバーナビは、自社のハイエンドカーオーディオとして知られる『カロッツェリアX』で培った技術を余すことなく取り入れて対応している。それが「オートタイムアライメント&オートイコライザー」である。実は、この調整はそれまで人間が耳で行うのが一般的だった。しかし、それを行うには調整できるだけの“耳”が必須だ。不慣れなユーザーがすぐに行えるものではない。

そこで先の「オートタイムアライメント&オートイコライザー」が活きてくる。設定のための条件を揃えて実施すると、数分で最良の音響空間が出来上がるのだ。試しに、その設定前との違いを聴き比べるとその差は歴然! それまでドア側に寄っていた音像がほぼ前方へと移動し、低域の締まりも格段に向上した。音が出るタイミングが運転席付近に来るようにタイムアライメントで調整され、車内の反響はイコライザーで最適化されたのだ。

元々サイバーナビには高品質なオーディオパーツがふんだんに使われており、音に対する基本設計はハイエンドオーディオに迫るクォリティを備えていた。それに加えて音の出方を最適化することで、より質の高いサウンドが楽しめるようになったというわけだ。

まさにカーナビ機能からAV機能に至るまで、どの部分を取ってもその頂点を極めるのに相応しいスペックを備えた。それこそがサイバーナビなのだ。未来のカーナビはどう進化していくのか。熟成された2014年型サイバーナビを介して、そんな未来を占ってみるのも面白いかもしれない。
《会田肇》

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