6月25日、三菱航空機執行役員技術本部長兼チーフエンジニアの岸信夫氏が
「国産民間旅客機“MRJ”の開発と今後~日本発・最新ものづくり技術で、世界の空へ~」と題した講演をおこなった。
第25回設計・製造ソリューション展の特別講演として行われた(リードエグジビジョンジャパン開催、場所は東京ビッグサイト)。
同講演で岸氏は現在開発中のMRJの参画企業状況について言及。
今回世界初採用されたGTFエンジン(PW1217G)を製造するPratt&Whitneyのみならず、MRJの多くの部分は米欧系企業が製造し、日本企業は降着システムを担当する住友精密工業とフライトコントロールアクチュエーターを担当するNabtescoに留まる。
この点につき岸氏は「MRJは日本の飛行機なんだけれど、多くの部分を米欧の企業につくってもらっている。今後できるだけ多くの日本の企業に参画できるように工夫していきたい。部品、素材、ソフトウェアなどの分野での日本の力が結集できるように計画していきたい」との展望を述べた。
日本の航空機産業は産業別出荷額において自動車の40分の1の規模にとどまり、国際比較した場合米国の16分の1であり、英仏の3~4分の1となっている(2009年、各国航空宇宙産業規模比較、日本航空宇宙工業会調べ)。
同氏は航空宇宙関連技術が炭素繊維複合材技術をはじめ、自動車・電力産業・その他多くの産業に波及した過去の事例を紹介しながら、航空宇宙関連産業への理解とMRJ開発の意義を説いた。