ヤマハ発動機が1日に発表した新型3輪スクーター『トリシティ』は、クルマでもバイクでもない“第3の移動体”をコンセプトに、独自のLMW(リーニング・マルチホイール)機構を採用、バイクの爽快感を損なうことなく優れた安定性を実現した。
前二輪の機構は、既に海外ブランドで採用されているが、ヤマハは2000年初めから開発をスタートしていたと、LMW開発部の米田洋之主務はいう。
「バイクではない、何か新しい乗り物を作る事が課題でした。そんななか、2010年頃に社内から若手を集めてチームをつくり、いろいろな意見を集約し、前2輪の技術が実現できそうだと、プロジェクトが動き出しました(米田)」
前2輪という事は、それだけ前部が重くなり、ハンドリングに影響を与える事になるが、米田主務は「まさにそこが一番の課題でした。弊社の二輪製品はハンドリング性能がウリでもあるため、それを損なわなよう、LMW機構を開発・採用し、前後の重量バランスも50:50とすることで、スポーティな走りも楽しめる軽快なハンドリング性能を実現しました」と述べた。
125ccクラスというと、シティライドがメインであるが、トリシティは「町中での悪路や少々の段差も安定して走れ、小回りも効くとともに、高速旋回時にこのバイク特有の優れた安定感と爽快感が味わえます」と米田氏は語った。