パナソニックのAV一体型ビルトインナビゲーション「ストラーダ」の上位モデルが『Rシリーズ』だ。今回取材したのは、200mmワイドモデルの「CN-R500WD1」。標準よりも20mmワイドな幅を活かし、本体向かって右側にはハードキーが設置されている。
◆スマホ感覚の操作感、モーションコントロール
Rシリーズ最大の売りは「モーションコントロール」と呼ばれる進化したユーザーインターフェース。音楽の曲送りや選局、音量調節といった使用頻度の高い操作を、指で画面を上下左右になぞることで、操作できるというものだ。パナソニックでは、この操作を「オーディオフリック」と呼んでいる。
地図からオーディオ画面への切り替えは右から左、渋滞情報を表示したいときは「スワイプイン機能」で上から下、テレビ表示に切り替えたい場合は左から右にスライドさせればよい(デフォルト設定の場合)。表示させたいAVのメニューは設定変更が可能なので、自分流の操作に合わせることができる。タブレットやスマートフォンを操作する感覚で画面を切り替えることが可能だ。
また、画面の端ではなく中央付近で左右になぞると再生楽曲や地デジチャンネルの順送り(右)/逆戻し(左)、上下になぞると音量調節となる(「オーディオフリック」)。このほか、メニュー画面のフリック移動や、地図を2本指を使ってのピンチイン/ピンチアウトが可能だ。
◆“自分流の使いやすさ”を実現、好評のストラーダチューンも引き続き採用
Rシリーズには、案内ルートの探索条件や、地図の見た目を変更できるカスタマイズ機能「ストラーダチューン」も採用されている。
ルートチューンはルート探索条件を詳細に変更でき、自分の好みに合ったルートを利用できる機能。またマップチューンでは、地図色を「クルージング」「タウン」「トラフィック」「トワイライト」の4テーマから、また文字サイズ3タイプから、そのほか道路の色などを組み合わせて自分で見やすいマップを作ることができる。その組み合わせはなんと合計64通り。
◆映像と音質の品質をさらに一段階アップ
AV面の機能向上もR500シリーズの見逃せないポイントだ。詳細については、追って掲載するインプレッションに譲るが、ここでは従来モデルからの改良点について言及しておきたい。
まず、定評の映像エンジン「PEAKSプロセッサー」がさらに性能向上し、地デジ放送だけでなくDVDドライブからの映像もプログレッシブ方式となった。色の再現性に優れたクリアパネルと白色LEDバックライトとも相まって、精細でクッキリとした映像表現が可能となっている。
さらに、プロフェッショナルのサウンドエンジニア集団「ミキサーズ・ラボ」のチューニングによる再生モード「音の匠」も進化を遂げている。スタジオサウンドに近い音を再現する「爽快ドライブチューン」、MP3など圧縮音源をメリハリやリズム感のある感じで再生するよう調整された「快適メモリーミュージック」、そして車内での会話を妨げないように、音声帯とぶつかる部分を調整して音楽を聴きながら車内での会話がスムーズに楽しめる「いい音でスムーストーク」の3モードを用意。これらに加えて「イコライザー調整機能」が付加され、音質面でのパーソナライズ機能もアップしている。
ハードウェア面についても、音質を決めるのキーパーツの一つであるD/Aコンバータにはバーブラウンブランドのアドバンスド・セグメント方式32bitタイプを採用。このD/AコンバータはS/N:112dbという圧倒的なダイナミックレンジ(fs=48kHz、system clock=512fs and 24-bit data 20Hz HPF, 20kHz AES17 LPF)を達成しており、専用開発されたコンデンサやパワーアンプ、そして徹底したノイズ対策など、高級オーディオ専用機に匹敵する物量投入で、玄人もうなるほどの高音質を追求した。
R500シリーズのラインナップは通常の2DINサイズが「CN-R500D1」および「CN-R500D1-D」、200mmのワイドモデルが「CN-R500WD1」および「CN-R500WD1-D」。機種名末端に「-D」が付くモデルはDSRC車載器セットモデルで、高速道路での合流時の注意喚起や渋滞情報が利用できるITSスポットサービス(DSRC)に対応している。ITSスポットサービスは、従来よりも広範囲の道路交通情報を反映したルート探索が可能になり、渋滞末尾情報、前方静止画像情報、落下物情報も利用でき、ドライブの安心をサポートしてくれる。