昨年までスタート超絶巧者として知られたロッテラー(#36 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)だが、今季は開幕戦、この日のレース1と、もうひとつのスタートが続いていた。ニューマシン「SF14」はハンドクラッチ採用車、そこへの対応にやや苦慮していたようで、本人も「スタートが唯一の心配だった」とレース後に語っている。しかし、「ジェームス(ロシター= #3 KONDO RACING/トヨタ)と話をしたんだ」ということで、そこからヒントを得たらしく、「『サンキュー、ジェームス』だね」との好スタートを披露し、ロッテラーはトップの座をキープして発進することに成功した。
その後、タイヤにフラットスポットをつくってしまう一幕もあったロッテラーだが、それがレース展開に大きな影響を及ぼすことはなく、予定よりやや早めの11周目にピットインしてタイヤ交換義務を消化した後も、翌周以降にタイヤ交換した上位のライバルたちに実質的なトップを譲ることはなかった。レース後半、2秒以内の差で追いすがっていたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 Lenovo TEAM IMPUL/トヨタ)を振り切り、ロッテラーは優勝のチェッカーを受ける。
2位はオリベイラ。3位には中嶋一貴(#37 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)が続き、4位がロイック・デュバル(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)ということで、結果的にレース1の上位4人がレース2でも順番を入れ替えつつトップ4を占めた。オリベイラが1位+2位、一貴が2位+3位、デュバルが3位+4位、ロッテラーが4位+1位という具合である。レース内容から見ても、この4人の元シリーズチャンピオン(2009~12年のFニッポン王者)が今季タイトル争いの中核を成すことは間違いなさそうで、現段階のランキングは下記のようになっている。
デュバル/15.5点 ロッテラー/13.5点 オリベイラ/12点 中嶋一貴/10点
これに現在9.5点のロシター(今日は6位+17位)以下の面々がどう絡んでいくかも興味深いところだが、決勝レース2ではホンダ勢の上昇機運も感じられた。昨年のチャンピオン・山本尚貴(#1 TEAM 無限/ホンダ)が5位と気を吐き、ホンダ勢の今季決勝最上位を記録。まだまだトヨタ勢先行の状況に大きな変化はないが、次戦以降の巻き返し本格化に注目したい。