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南極隕石にビタミンB3 小惑星から地球にもたらされた可能性

宇宙 科学

2014年4月17日、NASAは南極で発見された隕石に炭素を多く含む隕石からビタミンB3(ナイアシン)として知られる物質が含まれており、小惑星や彗星から地球にもたらされた可能性があると発表した。

「Geochimica et Cosmochimica Acta」誌に発表された論文「Investigation of Pyridine Carboxylic Acids in CM2 Carbonaceous Chondrites: Potential Precursor Molecules for Ancient Coenzymes」によれば、南極で発見された8つの炭素質コンドライト隕石から、ビタミンB3、またはニコチン酸、ナイアシンと呼ばれる物質が見つかった。ナイアシンは糖質、脂質、タンパク質の代謝に欠かせない物質で、地球の生命の起源と隕石や彗星など地球外からもたらされた物質との関連性を示すものだ。

論文主著者のペンシルバニア州立大学 カレン・スミス博士と、NASA ゴダードスペースフライトセンター・宇宙生物学研究所の研究チームは、8つの炭素質コンドライト隕石の構成要素を調査した。隕石はアメリカの南極隕石調査計画で発見されたもので、1985年に発見された「ALH 85013(アランヒルズ隕石 85013)」 や2003年の「DOM 03183(ドミニオン レンジ隕石 03183)」など。

隕石からビタミンB3の発見はこれが初めてではなく、2001年に飛来したタギシュ・レイク隕石から関連する物質、ピリジンカルボキシン酸をアリゾナ州立大学の研究チームが発見した例がある。今回、スミス博士らはビタミンB3をもたらした隕石の母天体にある傾向を発見したという。水が液体として存在した小惑星から来た隕石の場合、ビタミンB3の量が比較的少なかったというものだ。スミス博士は、液体の水の中ではこうした分子が壊れやすいためではないかと考えている。過去の地球で宇宙から来た物質がビタミンB3の供給源となったとすれば、粒状の氷として飛来したのではないかとして、さらなる研究を進める。

NASAゴダード宇宙生物学研究所では、地球外物質の研究のためにごく微量のサンプルから成分を調べる技術を向上させている。論文執筆者の一人であるマイケル・キャラハン博士は、液体クロマトグラフィー装置を使って、代表的な炭素質コンドライト隕石である「マーチソン隕石」から「360マイクログラム、眉毛数本分の量」のサンプルを検査し、アミノ酸を発見することに成功したという。

今年末に日本が打ち上げる炭素質の小惑星「1999 JU3」を調査する「はやぶさ2」や、NASAが2016年に打ち上げを計画している小惑星「ベンヌ」探査計画「オサイリス・レックス」など、小惑星からのサンプルリターン計画が予定されている。こうした計画では、得られるサンプルの量は少量でサイズが小さい場合も少なくない。分析技術の向上により、地球外の有機物から生命の起源につながる新たな成果が得られると期待される。
《秋山 文野》

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