メルセデス・ベンツ日本は9日、「AMGドライビングアカデミー ベーシックトレーニング イン ツインリンクもてぎ」を開催した。
同アカデミーは2007年、欧州でスタート。その目的は、一人の熟練したマイスターが一つのエンジンを造り上げる「One man - one engine(ワンマン ワンエンジン)」の哲学を伝え、AMGの走行性能と安全性を実感してもらうことにある。ドライバーの技量に応じて、「エモーション」「ベーシック」「アドバンスド」「プロ」「マスター」の5コースを設定。今回は初級コースのベーシックトレーニングが実施された。インストラクターの指導を受けながら、サーキット上でAMGの性能を体験できるプログラムとあって、40名の参加枠はキャンセル待ちが出るほどの人気ぶりだという。
用意されたモデルは『A 45 AMG 4MATIC』『CLA 45 AMG 4MATIC』『C 63 AMG Coupe Edition 507』『E 63 AMG』『E 63 AMG S 4MATIC』『CLS 63 AMG』『SL 63 AMG』『SLS AMG GT』。参加者は必ず、これら全モデルに乗る機会を得られる。
当日は、AMGセーフティインストラクターのピーター・エブナー氏、中谷明彦氏、黒澤治樹氏、竹内浩典氏、瀬在仁志氏らが講師を務めた。
日本開催は2012年から
日本では今回で5回目を迎える同アカデミー。これまでに富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、三菱ふそうの喜連川研究所などで開催されてきたが、ツインリンクもてぎでの開催は初となる。
メルセデスベンツ日本 商品企画・マーケティング部の上野麻海さんはその理由を「交通の利便性が高い関東のサーキットということもありますが、もてぎはブレーキングテクニックを要するコーナーの多いコースなので、AMGの性能を試すのに適した場として選びました」と述べた。
毎回アカデミー後にはインストラクターとスタッフが反省会を行いながらプログラムの内容やホスピタリティ面、時間配分、サーキットの使い方を振り返り、次回に活かしているという。11月には鈴鹿でアドバンスドトレーニングの開催が予定されている。
常に進化するアカデミーに
今回刷新された点は3つ。まずは、SLS AMG GTの台数を増加させた。昨年、ファイナルエディションの発表をもって4年の歴史に幕を下ろした同車に乗る機会を設けている。上野さん曰く「SLSは最終オーダー分も完売していますが、サーキットとの相性がとても良く、皆さんが乗りたいと思われるモデルなので、台数を増やしました」という。
次にA 45 AMGとCLA 45 AMGをプログラムに組み込んだ点。「この2つは、昨年の富士で導入した時、“実際乗ってみるととても楽しい”という声が多かった。手の届きやすいモデルながらもAMGの哲学に則って作られていることを感じてもらえるようにしています」と上野さん。
さらにC 63 AMGをハイパフォーマンスモデルのEdition 507に統一したのも今回が初だ。
また、昨年からは4MATICモデルにも重点を置いている。「車ごとの挙動や荷重の違いを実感できるのが醍醐味。フィードバックを反映し、趣向を変えながら進化させている」(上野さん)という。
広く開かれた門戸、参加理由は様々
参加者の声を聞くとその動機は様々だ。4回目の応募でやっと念願叶ったという男性は「様々なAMGの車両を乗り比べる機会はなかなかないのでぜひ参加したかった。想像以上にエンジンパワーがあったり、ブレーキ性能が高かったりと、新しい発見ができました」と語った。一方で、「自分の乗っている車と同じモデルでサーキットを走り、最大限の能力を発揮したらどうなるか知りたかった。そうすることで、公道でもより安心して運転することができると思います」と話す参加者もいる。
また、同アカデミーはメルセデスベンツやAMGのオーナー以外も参加できるのが特徴。上野さんは「AMGはパフォーマンス、安全性、細部へのこだわりなど、やはり乗ってみて初めてわかる要素も多いと思います。メルセデスに乗ったことのない人や色々な方に参加してもらい、自分の車と比べていただきたい。初めての方もリピーターの方も飽きずに楽しめるよう、プログラムを成熟させていきます」と意気込みを語った。
次回は6月にベルギーのスパ・フランコルシャンサーキットでのプログラムが用意されている。