パナソニック、低温の未利用熱を活用する熱発電チューブを開発

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発電検証実験の様子
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  • 熱発電ユニットを用いた発電性能

パナソニックは4月15日、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)と低温水の余剰排熱を活用して発電する熱発電チューブを開発したと発表した。

パナソニックは、従来有効に利用されずに捨てられていた200度以下の低温の未利用熱を活用するために、これまで主に研究されてきた平板型の素子構造ではなく、より使いやすいチューブ型の発電素子(熱発電チューブ)の研究開発を進めてきた。

今回開発した熱発電チューブは、どんな小さな温度差からでも発電が可能な熱電変換素子をチューブ状に加工したもので、お湯や蒸気、排ガスなど、身近な熱から発電ができる新しい技術だ。

同社は、京都市東北部クリーンセンターにおいて熱発電チューブを組み込んだ発電装置による、温水からの発電検証実験を実施。ごみ処理施設内の限られたスペースに設置した大きさ0.3m3の発電装置で、温水温度96度、冷却水温度5度の条件下で最大246Wの発電を達成した。この値は、設置面積換算で太陽光発電の約4倍の発電性能に相当する。なお、発電装置は、現在までに200時間以上の運転で安定した発電を続けている。

熱発電チューブを用いてシンプルでコンパクトな構成の熱発電ユニットを実現することで、工場の温排水などの低温熱源を利便性良く電気に変換することが可能となる。同社では、引き続き、施設内での発電検証試験を実施し、熱発電ユニットの信頼性の向上に取り組む。

《纐纈敏也@DAYS》

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