【鈴鹿8耐】世界一過酷な8時間のスプリントレース

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鈴鹿8時間耐久ロードレース(2013年)
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毎年7月下旬恒例の2輪モータースポーツの祭典、「鈴鹿8耐」。バイクに全く興味が無い人でも、鈴鹿8耐という名を知っている人は多いだろう。4輪のF1と並んで、鈴鹿サーキットで開催されるレースの中でもっとも有名なひとつと言っていいだろう。でも、なぜそれほどまでに有名なのか、そもそもどんなレースなのか知らない人も多い。

先頃、第1戦鈴鹿2&4レース A.R.T.合同走行が行われ、鈴鹿8耐を見据えた国内のトップライダーが多数登場した。8耐前哨戦のスタートを機に、「鈴鹿8耐とはどのようなレースか」を改めて解説しよう。

◆世界一過酷な8時間のスプリントレース

「8耐(ハチタイ)」こと「鈴鹿8時間耐久ロードレース」(※)は、文字通りコース上を8時間のあいだ走り続け、もっとも周回数が多かったマシンが1位になるという耐久レースだ。2輪の耐久レースは「FIM世界耐久選手権」というシリーズ戦が毎年開催されており、8耐もその1戦に組み込まれている。ただし、8耐を単にシリーズ戦のひとつという枠で捉えることはできない。
※レースの正式名称は「2014 FIM世界耐久選手権シリーズ第2戦 "コカ・コーラ ゼロ"鈴鹿8時間耐久ロードレース 第37回大会」

「FIM世界耐久選手権」の他のレースには、ル・マン24時間(4輪のレースとは別)やボルドール24時間など、より長時間のレースがたくさんある。それでも鈴鹿の8耐が特別なレースであるのは、8時間という時間が、絶妙な意味を持っているからだ。もともと草レースのような雰囲気で始まった8耐だが、人気が出て世界中のトップライダーが参戦するようになると、そのラップタイムはスプリントレースのそれに限りなく近づいていった。

スプリントのペースで耐久をやる。それは24時間なら絶対に不可能だ。でも8時間なら可能か? もちろん8時間でも難しいのだが、それでもその難しいことをやらなければ優勝できない。このようにして8耐は世界で最も過酷な「8時間のスプリントレース」となった。毎年、8耐では最初の1ラップ目から全開でのトップ争いが繰り広げられ、ペース配分などという言葉とは無縁。こんな常識破りのエキサイティングな耐久レースはほかにない。

◆今も昔もトップライダーが集結する真夏の祭典、それが8耐

8耐には「FIM世界耐久選手権」のシリーズ戦を戦うチームももちろんやってくるが、主役はむしろこの8耐だけに的を絞ってスポット参戦するチームやライダーだ。特に1980年代は世界最高峰の2輪レースであるGPレースを戦う世界のトップライダーがこぞって8耐を走り、それがこのレースの大きな魅力になっていた。現在ではMotoGPを戦うライダーが参戦することは少なくなったが、代わって日本人のエース級ライダーが熾烈な争いを繰り広げている。単なるシリーズ戦のひとつではないという8耐の独自性は全く揺らいでいない。

8時間のスプリントと言われるほど過酷な8耐だが、その苛酷さをさらに加速させているのが真夏の暑さだ。ほかの耐久レースのほとんどが比較的に涼しいヨーロッパで行われるなか、8耐だけが極端な高温多湿の環境、真夏の日本で開催される。この暑さはライダーにも、マシンにも、そして観客にも試練となる。「見てる方も耐久」と言われる所以だ。そしてこの暑さが8耐に様々なドラマをもたらしたことも事実である。

真夏の祭典と言われる8耐は、レースであると同時に日本のライダー全体のお祭りでもある。レースウィーク中は8耐と並ぶ名物レースで国内ライセンスライダーが多数集う「4耐」が開催されるほか、サーキットとその周辺で様々なイベントが開催され、日本中から集まったライダーやバイク好きの家族連れで賑わう。レースウィークの観客動員は毎年20万人前後で推移しており、2輪のレースイベントとしては日本最多。レースであると同時にみんなが楽しめるお祭りであることも、8耐の魅力だ。

今年の8耐は7月24日に開幕し、翌25日に予選。26日の鈴鹿4時間耐久ロードレースやトップ10トライアルを経て27日11時30分、ル・マン式で8時間の長丁場レースがスタートする。

《山田正昭》

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