【スズキ ハヤブサ 試乗】197psフルパワーの究極形スーパースポーツ、実力やいかに…和歌山利宏

モーターサイクル 新型車

ハヤブサは、1999年に市販開始されたメガスポーツである。当時は300km/hを超すとされる最高速が取りざたされ、物議を醸したこともあったが、その本質は、スズキが言う通りの「究極のスーパースポーツ」であった。怒涛の動力性能を誇るだけでなく、サーキット走行をも楽しめるハンドリングを備え、かつグランツーリスモよろしく長距離移動もいとわない。スーパースポーツの究極形であることに、異論の挟みようはなかったのである。

2008年には、第二世代に進化。エンジンも車体も基本は初代型から引き継ぐが、動力性能、ハンドリング、ブレーキの全てを高次元化するため、1299ccから1340ccに排気量を拡大し、最高出力を175psから197psにアップ。車体も、車両姿勢を後上がりとしキャスター角を24度10分から23度25分に立たせ、スイングアームを剛性アップするなど、全面的に見直されたのだ。

そして、この国内仕様車として市販される2014年型ハヤブサは、ブレンボのラジアルマウントキャリパーやABSを装備し、第三世代に進化した2013年型欧州仕様車がベースになっている。しかも驚くべきは、197psのフルパワーのまま国内市販されることである。もちろん、180km/hの速度リミッターは取り付けられるものの、厳しい日本の排ガス騒音規制に合致させているのだから、感心させられる。国内用にETCが標準装備されることも嬉しい。

さて、その走りは、基本が変わらない第二世代のものを想像していたのだが、この国内向き新型は、それよりもはるかに進歩していることが印象的である。やはり、紛れもなく第三世代なのだ。特に、この数年で電子制御は著しく進歩してきたから、このハヤブサにも、その技術が投入されているはずで、今日的に上質化され、扱いやすく、フレンドリーさも増している。

ライポジは、現在のスーパースポーツからすると、着座位置が後ろにあって、ハンドルは遠めである。そうしたライポジのせいか、低速ターンでステアリングに重さを感じることもあるが、先鋭的なわけではなく、コンチネンタルスタイルの往年のスポーツを思わせ、悪くない。

ハンドリングは、フロントを使って曲げて、トラクションで旋回していくというパターンが明確に作り込まれており、それに合わせて荷重コントロールしていくことになる。いい意味でも悪い意味でも、一昔前のスーパースポーツを思い出さないわけもないが、マシンコントロールを堪能できることは確かである。

諸規制のせいか、低中速トルクは以前ほど強力ではなくなったが、中回転から高回転域には、今のリッタースーパースポーツにはない太さがある。8000rpmぐらいまでのトルクが立ち上がっている領域で、トルクカーブに載ってトラクションを掛けていくのが最高である。

モード切り替えも効果的で、最もハードなモードAでも神経質さはないのだが、モードBとすると、まるでフレンドリーな街乗りバイクのようなフィーリングとなる。モードCだと最大出力をも抑える設定だ。

刷新されたハヤブサは、今日的に洗練され、登場から15年を経ながら古さはないが、往年の魅力を秘めていることも事実である。いい意味での無骨さを偲ばせる究極のスーパースポーツといったところだろうか。

《和歌山 利宏》

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