全日本選手権スーパーフォーミュラ(SF)の実質今季初回となる公式合同テストは、4日、鈴鹿サーキットで2日目(最終日)を迎えた。前日同様トヨタ勢がベストタイム上位を占めるなか、トップタイムはロイック・デュバルが記録している。
2日目の天候は曇り。途中わずかに雨がパラつくこともあったが、午前と午後それぞれ約2時間の走行セッションは基本的にドライコンディションのもとで実施された。午後5時前後、最終盤のアタック合戦を制するかたちになったのはデュバル(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)。同じWECアウディ戦士のアンドレ・ロッテラー(#36 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)を0.011秒差で下しての“勝利”に、「今日はレースじゃないけどね」と言いながらも満足げだ。
「昨日と今日でニューマシンへの理解を深め、ステップ・バイ・ステップでインプルーブさせることができたと思う。タイム的にも常に上位に位置することができていたわけだし、ハッピーなテストだったね」と語るデュバル。自身5年ぶりのタイトル獲得に向けて順調なスタートを切ったと言えそうだ。
デュバルのトップタイムは1分36秒475。ロッテラー(1分36秒486)ともども、ついに昨年同時期の先代車のタイム(1分36秒574)を上まわってきたわけだが、両者とも最終盤のアタックでは他車のコースオフに影響を受けていた。デュバルはベストタイムの周にわずかなアクセルの戻しを、ロッテラーは結果的にベストだった周の翌周のアタックを途中でとりやめるという状況を、それぞれに強いられている。風向きも前日ほど好条件ではなかったため、万事うまく運べば35秒台も望めた可能性があったかもしれない。いずれにしても大半のチームが初めて本格的に走行したというのにこの水準である。ダラーラ社製の新車「SF14」は、いろいろな意味でF1レベルといえるクオリティのようだ。
トヨタ対ホンダというエンジン対決面では、トヨタ優勢のまま2日目も推移した。2日目の午前と午後の総合3番手タイムは中嶋一貴(#37 PETRONAS TEAM TOM’S)で、4位が近藤真彦監督率いるKONDO RACINGのジョームス・ロシター(#3)、5位に平川亮(#7 KYGNUS SUNOCO Team LeMans)と続き、10位までをトヨタ勢が占拠。ホンダ最上位は11位の塚越広大(#10 HP REAL RACING)だった。開幕に向けてホンダ勢の巻き返しが期待されるところである。
次回の公式合同テストは富士スピードウェイに舞台を移し、3月19~20日に実施される予定。そしてSF開幕戦は4月12~13日に鈴鹿で開催される。