【JNCAP2013】実際の事故現場ではどのように漏電検出を行うのか | レスポンス(Response.jp)

【JNCAP2013】実際の事故現場ではどのように漏電検出を行うのか

自動車 テクノロジー 安全

自動車アセスメントに平成25年度(2013年度)から含まれる「感電保護性能試験」だが、これはあくまでも衝突試験であり、実際の事故現場におけるリアルステージでは漏電検出の対応が異なってくる。今回の試験公開ではその一端を周知してもらう目的もあり、つくば市消防局の全面協力によってハイブリッド車が関係した事故を想定した救出訓練も披露された。

通報者からの情報によって、要救助者(救出対象者)の乗車しているクルマがハイブリッド車や電気自動車(EV)と確認された場合、現場へ出動して救出作業に当たるレスキュー隊員は「耐電衣(絶縁服)」と呼ばれるゴム製の作業着を着用する。検電器を用いて車体に漏電がないかどうかをチェックした後、高電圧バッテリー(RESS)からサービスプラグを抜き取って電力供給を完全に遮断。再び漏電していないか確かめてから作業を開始することになっているが、サービスプラグを抜いてから電力が完全遮断されるまでには最大2分間程度の猶予が必要であり、この間は車体から離れて待機することになる。また、インバーターやジェネレーターなどの高電圧機器が入ったエンジンルームは絶縁服と同じ素材のカバーで覆い、車体の金属部を通しての漏電を防ぐ対策も実施していく。

つくば市消防局によると、ハイブリッド車や電気自動車が関係した事故の件数はまだ少なく、これまでに10件程度。RESSからの電解液漏れや高電圧機器の大破、漏電に至ったケースは同局管内では今のところ発生していないという。ただし、車体が大破している場合には電気配線の被覆も損傷している(漏電している)可能性があり、不用意のまま車体へ接近したり、手を触れると感電する可能性がゼロではないので、乗員の救助活動はレスキュー隊へ任せた方がよい。

ハイブリッド車や電気自動車の機器配置図面は自動車メーカーが総務省消防庁に提供し、各自治体の消防局は消防庁からインターネットを通じて入手している。トヨタ『プリウス』やホンダ『インサイト』などの代表的な車種の図面についてはレスキュー隊の車両にも常備しているが、ここ最近ではハイブリッド車の車種も増えてきているため、119番通報を受けた際の車種確認を念入りに行っているようだ。ハイブリッド専用車種であれば通報者にもわかりやすいが、今回の訓練に使用されたトヨタ『クラウン ハイブリッド』のように通常のエンジン車がメインのクルマだと、隊員が現場に到着してから初めてハイブリッド車であることに気づく(ゆえに対処が遅れる)ということも考えられる。

メルセデスベンツは2014年2月以降に発売する車両にQRコードを貼り付け、レスキュー隊員がスマートフォンでこのコードを読み取ると機器配置図面にアクセスできる「レスキューQR コード」という取り組みを開始した。こうしたものが他メーカーにも普及していくと現場での救出作業が迅速に開始できることになるのだが、このあたりはメーカーの枠を越えて採用してほしいと強く願う。
《石田真一》

レスポンスコメント欄(β)開設!ぜひ気になる記事にコメントしてください

編集部おすすめのニュース

おすすめの商品