【CES14】マツダが仕様公開するアプリプラットフォーム「OpenCar Connect」とは

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マツダが「Mazda Connect」用アプリ開発のためにパートナーを組んだアプリケーションプラットフォーム『Open Car』の作業用画面
  • マツダが「Mazda Connect」用アプリ開発のためにパートナーを組んだアプリケーションプラットフォーム『Open Car』の作業用画面
  • PCとつながった『Mazda Connect』のシステム。作業に結果がすぐに反映され、内容の確認ができる
  • 取材に応じてくれたマツダ(株)車両開発本部電子開発部の岡田英紀氏
  • 『Mazda Connect』でのリンクを指定する画面。左下のウィンドウと指定したアイコンがリンクする
  • 機能を追加していくためのPC側の作業領域

すでに北米でも新型『MAZDA3』(日本名『アクセラ』)がリリースされ、新世代カーコネクティビティ・システム「Mazda Connect」も本格スタート。それに伴って注目されているのが、クルマ向けアプリの開発を促すアプリケーション・プラットフォーム『OpenCar Connect』と呼ばれる開発ツールだ。

「Mazda Connect」は、スマートフォンなどで身近に感じている通信による利便性や楽しさを、安全に考慮しながらクルマに最適化して提供することを狙いとしている。

システムはそのために、視認性を最大限確保した7型センターディスプレイ、手元を見ずとも操作できるコマンダーコントロール、情報をヘッドアップディスプレイとして表示するアクティブ・ドライビング・ディスプレイで構成。時代の最先端を行く新世代HMIで構築されている。

一方で、「Mazda Connect」はアプリケーションの追加で機能を発展させられることを大きな特徴としている。それを楽しみにしている人も多いだろうし、その充実かんでシステムの広がりは大きく左右される。しかし、そのためにこのアプリを自前ですべて用意するのは自動車メーカーにとっても負担は大きい。そこでマツダは、サードパーティが自由に参加してアプリを制作できるオープンソースの環境を整えることにした。そのアプリケーション・プラットフォームのパートナーとして組んだ第一弾が『OpenCar Connect』だ。

このツールを使うことについてのポイントを、北米での「Mazda Connect」の立ち上げに力を注いだ車両開発本部電子開発部の岡野英紀氏に話を聞いた。

岡野氏は「サードパーティが参入してアプリ作りが活発化するのはいいことだが、一方でMazda Connectが目指す安全面への配慮が疎かになる可能性も出てくる。かといって、開発過程でいちいちチェックしていたのでは、双方に負担が大きいし、何よりもアプリのスピーディなリリースに対応できない。このツールを使えば、仮にMazda Connectをよく知らなくても、安全思想に基づいた条件下でアプリを制作できる」とそのメリットを語った。

また、岡野氏は「この開発ツールを利用するに当たっての費用は開発元の『OpenCar』ですべて行い、必要に応じた対応がなされているようだ」。そして、「グローバルでの展開も『OpenCar』が独自に進めることであり、今後どう広がっていくかはわからない」とした。

「Mazda Connect」は日本ではほぼ標準装備。北米でもいくつかの下位グレードを除いて標準装備となる。他のシステムを導入することは一切できず、それだけにシステムとしての充実度に期待がかかるのは確かだ。その意味で、今回のオープンプラットフォームの考え方は結果としてユーザーにメリットがもたらされることは間違いない。

《会田肇》

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