『ランドクルーザー プラド』がマイナーチェンジを受け、内外装のデザインを変更したほか、装備の充実化、乗り心地の向上などを図った。
外観デザインは一段と力強いものになったというか、大きめの造作のフロントグリルはいかにも大味な印象である。本格派のSUVに繊細なデザインを採用してもにあわないから、プラドにはこれで良いと思うが、個人的には趣味に合わない。
インテリアはシート表皮やカラーの変更はともかく、上級グレードにカラーTFT液晶のマルチインフォメーション・ディスプレーが採用され、オフロード走行を支援する情報などが表示されるようになったのが良い点だ。
パワートレーンは従来と変わらない。試乗したTZ-GはV型6気筒4.0リットルの3GR-FE型エンジンに電子制御6速ATを組み合わせて搭載する。203kW/380N・mのパワー&トルクを発生し、重量級ボディのプラドをぐいぐい押し出していく。
発進加速などでアクセルを強めに踏み込めば、テールを沈ませながら加速していくような感覚がある。
エンジンは中低速域のトルク感に不満はなく、吹き上がりのスムーズさも上々のレベル。本格派のクロカン4WDらしい力強さが味わえる。
マイナーチェンジでの乗り心地の改良は、ハンドル操作に対する反応を穏やかにしたとのこと。これは改良後の1台だけに乗っても良く分からなかった。同じシーンで改良前のモデルと乗り比べたら分かることなのだろう。
プラドの売れ筋グレードは4気筒2.7リットルエンジンを搭載したモデルだが、車両価格が500万円に近い最上級グレードには魅力的な仕様が用意されている。今回の試乗車はマルチテレインモニターを兼ねたカーナビなど、総額100万円を超えるオプションが装着され、600万円弱の仕様になっていた。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。