三菱レイヨンは、同社が開発した炭素繊維強化プラスチック(CFRP)部材の量産成形技術であるPCM法で製作したトランクリッドが、外板部材として初めて、日産自動車の「NISSANGT-R」2014年モデルに採用されたと発表した。
同社グループ会社であるチャレンヂが、PCM法による量産体制を整え、11月からGT-R向けに製造開始している。
今回採用されたCFRP製トランクリッドは、炭素繊維の軽量・高強度の特長を活かして、アルミ製に比べて重量は約2分の1と軽量ながら、アルミ以上の剛性を確保している。自動車軽量化による低燃費化と、高速での走行安定性に貢献する。
三菱レイヨンが開発したPCM法は、プレス機を用いた圧縮成形のプロセスで成形サイクルタイムを約10分に短縮したことで、自動車向け部材の量産が可能となる。また、PCM法は、高温・高圧のプレスにより部材表面の平滑性が高いため、美しい塗装が可能で、外板部材として利用することができる。
自動車分野では、軽量化素材としてCFRP部品を採用する動きが世界的に加速するなか、三菱レイヨンは、チャレンヂをCFRP部品開発・生産の中核拠点と位置づけ、自動車用途と産業用途向けCFRP部品の受注拡大に注力する。