2007年7月に日本国内線に就航して以来、搭乗者数が300万人を突破した格安航空会社(LCC)ジェットスター・ジャパンは10日、成田-高松線に初就航し、一日2往復の運行を開始した。当日、成田から高松へ向かうGK411便に搭乗したので、その模様をレポートする。
ジェットスターのチェックインカウンターは、成田空港第2ターミナルビルの南側に位置するLCC専用ターミナル内にある。海外の例に倣ったのか、天井は化粧板もない鉄骨がむき出しの造り。しかし、思ったほど違和感は感じない。「そんなもん」という印象だ。PCやスマホでもWebチェックインもできるが、この日はカウンターに設置してある自動チェックイン機を使ってみる。一人目は難なくチェックインOK。ところが同乗者が別にチェックインしようとしたら弾かれてしまった。
理由はチェックイン時刻をわずかに過ぎてしまったため。ジェットスターでは搭乗開始を出発時刻の30分前に設定しており、この時刻になると自動チェックイン機は使えなくなってしまうのだ。係にそのことを告げると、チェックインで並んでいる人よりも先に手続きを行ってくれた。こうした手間をかけるぐらいなら、自動チェックイン機はもう少し遅いタイミングまで使えるようにした方が良いと思うのだが、そうは考えていないようだ。
保安検査場を抜けて搭乗機まではバスで向かう。10分近く乗車後、GK411便のタラップ前に到着。そのまま乗り込んだ。機材番号は「JA02JJ」のA320-200で、2012年5月に登録した最新型の機材だった。
席はほぼ真ん中の15D。ちなみに、席を指定したため250円が加算され、支払いではネットでクレジット決済しても1件(片道)に付き300円がプラスされている。預ける荷物も有料だ。つまり、レガシィキャリアでは当たり前のことを求めると、基本料金(4590円~)にそれ相応の負担が求められる。この辺りは従来のレガシィキャリアとの大きな違いだ。
午前7時20分、定刻より5分早い段階でドアがクローズされ、それがアナウンスされた。長めのタキシングが続いた後、何の予告もなく離陸がスタートした。JALやANAなら離陸前には必ず、それが告げられるがジェットスターではそれはなし。この辺りもレガシィキャリアとの違いと感じた。
安定飛行に入るとシートベルトのサインが消え、間もなく機内販売が始まった。メニューを見ると、コンビニでも買えそうなものが大半で価格も割高。搭乗前にコンビニや売店で購入した方が安いのは明らかだ。それを知ってか、利用者はあらかじめ航空券と一緒にバウチャーを購入した人か、早朝のフライトだっただけに200円のインスタントコーヒーを頼む人など、一部の人に限られている様子だった。
ただ、この時思ったのだが、機内販売は前と後ろの両方からやってくる。今回の真ん中に座っていると、A320-200は通路が1本だから機材の前後端にあるトイレにはずっと行くことができない。もちろん、「トイレに行きたい」と告げれば移動してはくれそうだが、戻るときにも再度お願いすることになる。これは1本の通路しかない機材の宿命だが、予約時はこの辺りも考慮して置くといいかもしれない。
さて、こうしているうちに高松空港へ近づいていることがアナウンスされたが、ここでもレガシィキャリアとの違いがあった。この時、シートベルト着用サインはまだ点灯しておらず、この段階で「シートを元の位置に戻す」「電子機器の使用禁止」などが求められたのだ。そのため、1時間未満の飛行時間でこれらが利用できるのは30分もなかったような気がする。
それと、「高松空港は雨が降った後であるため、タラップを降りる際は滑りやすいので注意」とのアナウンスがあったが、到着後「ボーディングブリッジを利用する」との変更告知があった。普段はタラップでの利用がほとんどのLCCキャリアであるため、初めての高松空港だけについ勘違いしてしまったのかもしれない。
高松空港には定刻通りに到着。9時少し前にはボーディングブリッジを渡ることができた。空港側にはジェットスタージャパンの鈴木みゆき社長とスタッフが出迎え、さらに手荷物受取場から到着ロビーに出ると高松ゆめ大使をはじめ、報道陣など大勢の人たちに出迎えられた。ここで搭乗記念グッズが一人ひとりに渡され、ほぼ満席の旅客は空港を後にした(そのまま、到着した機材で帰る人も少なからずいた様子でもあったが)。
高松空港では、成田からの初便GK411便が到着する前に記念式典が開かれ、会場にはその時使ったうどんの器をもしたオブジェが置かれていた。高松空港の定期路線は羽田、那覇、ソウル、上海(火・木・日)、台北(木・日)に続いて6路線目で、LCCの国内線が四国に就航するのは、ジェットスタージャパンの成田-松山線に次ぐ2路線目となる。