日米の国際研究チームは、宇宙が8億歳(現在の宇宙年齢の6%)だった時代に存在する巨大な天体「ヒミコ」をアルマ望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡で観測したと発表した。
ハッブル宇宙望遠鏡の観測からは、「ヒミコ」の中に3つの巨大な青い星団を発見した。
一方、アルマ望遠鏡の観測からは、固体微粒子から出る電波や炭素原子から出る電波がいっさい検出されていない。これは活発に星を作る銀河では、ごく普通に検出される電波だが、極めて高い感度を持つアルマ望遠鏡でも電波が検出されなかったということは、ヒミコはビッグバンで作られた水素やヘリウムなど原始的なガスを主体とする天体であることを強く示唆しているとしている。
今回の観測結果は、宇宙が星々の光で満たされ始めた「宇宙の夜明け」と呼ばれる時代、銀河が作られる最初の過程を明らかにする上で重要な知見を与えたとしている。
今回の研究成果は12月1日発行の米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に掲載される。