芝浦工大、板橋の中小企業と共同で龍泉洞の無人探査機開発へ

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芝浦工業大学が開発中の無人探査機(いたばし産業見本市)
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龍泉洞は岩手県岩泉町にある鍾乳洞で、「日本三大鍾乳洞」の一つとして知られている。そこには地底湖があり、まだ人が踏み入れたことがない未知の世界となっている。その探索を芝浦工業大学が中心になった無人探査機プロジェクトで進められている。

2009年にダイバーによる潜水調査を行ったが、水温9度、最深部が70mもあり、おまけに地形が複雑とあって、非常にリスクが高く、なかなか思うように進まなかった。そのため、ダイバーが芝浦工業大学でロボット工学が専門の足立吉隆教授に相談。無人探査機を使って地底湖を調べることになった。

しかし、それをつくるとなると、高い技術力が必要だ。しかも、予算はあまりない。そんな話を聞いて立ち上がったのがイタテックだ。板橋区の有志が共同で結成した共同受注グループで、専門の技術を持った6社が手分けをして製作することになった。もちろん、ほとんど手弁当。

今年5月にはおおかた完成し、テストを行った。その特徴は全長1m弱、重量約15kgと小型で、水中では電波が届かないため、遠隔操作を有線で行うようになっている。しかし、実際に地底湖を進ませてみると、GPSが利用できないため、水中での位置がわからない。狭い洞窟内では超音波による距離測定が難しい。水路が途切れて、陸路を移動しなければならない。そのほかにもさまざまな課題が見つかった。

現在、その課題を克服すべく改良を行っており、「来年にはいろいろな検査機器を搭載し、水陸両用のものを完成させたい」と芝浦工大の関係者は今後の予定を話す。また、このプロジェクトを応援してくれる企業を募集しているそうで、お金の提供はもちろんのこと、現物提供も大歓迎とのことだ。

《山田清志》

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