ホンダは、四輪車事業への進出を目指し、1962年に発表した軽自動車規格のオープンスポーツカー『スポーツ360』を復刻し、東京モーターショー13に出展すると発表した。
1962年6月に、建設中の鈴鹿サーキットで開催された販売会社の会、第11回全国ホンダ会において、初めてスポーツ360とトラックの『T360』のプロトタイプがお披露目され、ホンダの四輪業界進出をアピールした。その後、同年10月に開催された第9回全日本自動車ショーにスポーツ360と『スポーツ500』、T360の各プロトタイプが出展され、一般に公開された。
スポーツ360は全長3000mm、全幅1300mmという当時の軽自動車規格内で、直列4気筒DOHC356ccエンジンを搭載。最高出力は33ps/9000rpm、最大トルクは2.7kgm/7000rpmという性能を有していた。
しかし、最終的に市販化されたのは『S500(プロトタイプのスポーツ500から改名)』とT360で、スポーツ360は生産されず、現存もしていないといわれる。
本田技術研究所技術広報室の山本室長は、昨年鈴鹿サーキットでの公開から50周年を迎え、今年はホンダが四輪事業への参入50周年にあたることから、「我々はホンダの原点として、そして、ホンダスポーツの原点としてスポーツ360を復刻し、東京モーターショーに出展することにした」と想いを語った。