三菱航空機は、MRJ欧州パートナー企業の品質保証業務を担う拠点をドイツ・バイエルン州ミュンヘン市に設立し2013年10月21日から業務を開始したと発表した。
三菱航空機はこれまで、海外パートナーのQCD(品質、価格、納期)管理を日本と米国・シカゴで行っていた。MRJ の主要パートナー企業のうち7 社は欧州にあり、開発が本格化している欧州パートナーの認証試験や検査負荷が増大してきたため、欧州にも品質管理拠点を置くことで、パートナーとの連携をより強化し、機動性を高めると共に継続的な信頼関係を構築することが狙い、としている。
今年8月、MRJ開発スケジュールを2年延期し、飛行試験機の初飛行予定を2015年第2四半期とした際に、三菱航空機の川井昭陽社長は「現在の航空機の安全性証明プロセスでは、設計から製造にわたる全プロセスを文書化し明確化することが必要となる。装備品を製造するパートナーとの調整には時間がかかる」と説明している。
欧州の拠点設立にあたり同社は「現地に経験豊富な管理者を配置することで、的確な状況把握と、迅速な対応、判断、指示などが可能となります」としており、装備品の品質保証プロセスでスケジュールを順守するための拠点設立と考えられる。