10月20日、富士スピードウェイでおこなわれたWEC(世界耐久選手権)第6戦決勝、豪雨の影響で終始セーフティカー先導のもとで続けられたレースは、2度の中断を経て中途で終了。
ポールでスタートしたアウディの『R18 e-tronクワトロ』1号車がピットストップしたため、2番手を走っていたトヨタ『TS030ハイブリッド』7号車が首位に。これでレース終了で7号車の優勝となった。悪化するコンディションでレースの終了を決断したスチュワードの判断は正しいとはいえ、不完全燃焼で終わった幕引きにドライバーたちは複雑な表情を隠せない。
●トヨタ 7号車 中嶋一貴(総合1位)
「ちょっと複雑な気持ちです。来て頂いたファンの方々には申し訳ない気持ちです。コンディションは非常に悪かったですし、特に2回目の赤旗までは正直レースが出来る状況ではありませんでした。最後はちょっと良くなったかなぁ…と思ったら、また悪くなってしまいました。世界中からレースをしに来た方々にも日本人を代表して申し訳ない思いです。
赤旗の判断は正しかったと思います。いろんな車が走っていて、そのスピード差もあることを考えると、レースをするのは難しかったと思います。セーフティカー・スタートでしたが、その中でも色々なドラマがあって、その結果僕らが一番前に居たということです。
優勝という言葉が相応しいのかは分かりませんが、一番前でレースを終えられたのはトラブルを上手く避けられた結果だと思います。チームにとっても今年初めての優勝ということで、チームに報いられたのは良かったと思っています」
●アウディ2号車 ロイック・デュバル(総合2位)
「トラック・コンディションはとても悪かった。セーフティーカーの後ろでもアクアプレーニング現象が起きていましたし、視界も悪かったです。
2速3速で走っていてもそうだったのでレーシング・スピードで走ることを想像すると、レース・コントロールの判断は良かったと思います。
(ドライバーズ・チャンピオンシップに関しては)今日のポイントがどうなるのか分からないので、自分たちの位置も分かりません。基本的に常にレースに勝とうと思っています。残り2戦もその気持ちです。」
●リベリオン 12号車 アンドレア・ベリッチ(総合3位)
「アメリカのレースで良かった通りチームは良い働きをしてくれました。残念な終わり方になってしまいましたが、レースをするにはリスキーでした。お客さんには申し訳なかったですが、レース・コントロールの判断は正しかったと思います。」
●アウディ・スポーツ ウォルフガング・ウルリッヒ代表
「マニュファクチャラーズタイトルを2連覇出来てとても嬉しいです。トヨタもとても強くなり大変な戦いの中、スタッフの素晴らしい働きによって勝てました。この2連覇は意義深いものがあります」