ゼンリンの100%子会社であるジオ技術研究所は、ITS世界会議2013で3Dグラフィック技術によって高度な地図描画を実現した3Dレンダリングミドルウェア「WAREM」を出展。直近から遠方までを1画面で表示させて、より利用用途の高い地図描画を見ることができた。
3D地図は遠くまで見通せる表示方法として広く普及したが、よく見ると表示は2D表示に比べて煩雑になり、とくに直近と遠方で表示可能な情報で落差が大きくなるという弱点もあった。そこでジオ技術研究所では3次元に特化した地図描画機能を用意し、「小縮尺」と「大縮尺」のスケールの異なる情報を1画面で表示できるようにした。たとえば、3D地図表示の手前では詳細スケールの地図情報を表示し、奥に行くにしたがい広域スケールの情報を表示するといった具合だ。
展示された地図で真っ先に気付くのが施設名がタテ表示になっていること。地名がヨコ表示となっていることもあり、文字が重なっても判別がしやすい。ランドマークとなる主要な建物は立体的に再現され、目印としての活用にも役立つ。また、地形の起伏も今まで以上にリアル表現され、従来の3D表示にはない美しさを伝えていた。詳細から広域までスムーズにスケールチェンジが行え、詳細スケールでは圧倒的な臨場感で街並みを表現する。
また、多様なプラットフォームへ対応するミドルウェアを用意したことで、仕向先の要望に応じたカスタマイズも容易になり、他形式との連携利用も可能になっているという。