水素を固形化して保存・運搬を容易に…3社協業「マグ水素事業」が発足

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9月19日、ZERO ONE ZERO 有限責任事業組合、バイオコーク技研、エコツーの3社が水素エネルギー社会の実現に向けてマグ水素プロジェクトを立ち上げ、10月1日からマグ水素関連の提供を開始すると発表した。

水素エネルギーは排出物が水のみであることから、これまでの化石資源をエネルギー源とした電力やガソリン等の代替エネルギーのひとつとされてきた。また、化石燃料の3倍以上の燃焼エネルギーを持ち、地球温暖化や大気汚染の心配もないことから、近年はさらに注目されている。

水素製造工程中でのCO2の排出問題をはじめ、貯蔵や保管、輸送上の課題が残っていたが、バイオコーク技研が、水素を固形化して大量に安全かつ低コストで貯蔵や輸送を可能とするマグ水素技術を開発。この製造を担当するエコツーの技術向上もあり、営業販売を担当するZERO ONE ZERO 有限責任事業組合とのマグ水素の事業化に至った。

今回、開発・販売するマグ水素関連商品は、大量の水素を安全に貯蔵・輸送・利用可能な『マグ水素タブレット』と、これを利用した『マグ水素ポータブル発電機(マグポポ)』の2製品。マグ水素タブレットは、マグネシウムと水素を化合させた固体水素化物。これを活用して、「安全に」「静かに」「排ガスを出さずに」発電できる燃料電池発電装置がマグポポだ。マグポポはコンパクトなため、非常時の電源や野外での携帯用電源としての需要を見込んでいるという。

今後3社は、マグ水素の性能を活用した製品の開発を各産業の企業と協力して進める予定で、10月1日から製品開発のためマグ水素タブレットをサンプルとして有料(100円/g)で提供を開始する。またマグ水素タブレット製造装置を愛知県の新設工場に3基建設し、2014年9月から年間10トンを製造できるように準備を進めている。

3社の2013年度売上目標(2013年10月~2014年3月)は2.4億円を目指しており、2015年度には30億円になると見込んでいる。

《嶽宮 三郎》

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