安川電機はこのほど、「足首アシスト歩行装置」を開発し、「国際福祉機器展2013」に参考出品した。今後さらに改良を重ね、創立100周年の2015年に製品化する予定だ。
この装置は、芝浦工業大学、広島大学、スペース・バイオ・ラボラトリーズと共同研究したもので、脳卒中などによって歩行障害を持つ人のリハビリに非常に有効だという。「これを使えば、足首の動かし方やタイミングなどが習得しやすくなり、正しい歩行ができるようになります」と同社関係者は説明する。
仕組みはこうだ。両足の足の裏にセンサーがあり、そのセンサーの情報を元に足首の底背屈動作をモーターでアシストする。踵から接地させ、接地中には重心の前方移動を促すように、そして足が地面から離れるときには蹴り出しの手助けをするわけだ。現在、病院で4人の患者に実証実験を行っており、動かなかった足首の関節が動くようになったという人も出てきているそうだ。
安川電機といえば、産業用ロボットが有名だが、「この装置にはそこで培ってきたロボット技術やモーションコントロール技術がふんだんに生かされています。モーターも小型化して足首のところにつけるようにし、患者の負担を小さくするためにできるだけ軽量化しました。ゆくゆくは服の中に隠れるようにしていきたい」と同社関係者。
同社のブースでは、この装置の説明を聞くために次から次へと来場者がやってきて、説明員は非常に忙しそうだった。2015年にはこの装置の他にも画期的なものを製品化するとのことだ。