レッドブル・ルノー
277ポイント(セバスチャン・ベッテル172/マーク・ウェーバー105)
シーズン10戦を消化した時点でタイトルを予測すると、ベッテルとレッドブルのタイトル連覇の可能性は高そうだ。だが実際のところ、今の状況は彼らの不断の努力によって築き上げたものであり、今後もスピードに加えてパフォーマンスの安定が求められることは言うまでもない。
レッドブルRB9の速さは明白な事実であり、これが2013年最速マシンと言い切っても差し支えはなさそうだ。それでもシーズン緒戦はバルセロナに代表されるように、タイヤのデグラデーションに足をすくわれ、持てるスピードを発揮でない状況もあった。
ベッテルの果敢なドライブとチームのたゆまぬ努力によってこの問題が解決できたのはカナダGP以降だ。ハンガリーGP以降のピレリのタイヤコンストラクション変更も、心配された悪影響はなかった。
これまでの前例を見る限り、RB9の戦闘力はシーズンエンドまで維持されるだろうが、注意すべきはイギリスGPにおけるベッテルのリタイア原因となったメカニカルトラブルの類だ。反対に言えば、26歳のトリプルチャンピオンの行く手を阻む術はそれだけということであり、この点はライバルも十分に理解しているはずだ。
一方、同じガレージの片隅でマーク・ウェーバーが不遇の日々を送っている。すでに2014年からのポルシェ移籍(WEC)を決めた彼にとっては最後のF1シーズンとなる。マレーシアGPでのベッテルによるチームオーダー無視は、ウェーバーの気持ちを著しく傷つけたが、その後ベッテルが批判の嵐を実力で乗り越えたのに対し、ウェーバーはリザルトによって反論することはできていない。
シーズンエンドまでに両者の関係が大きく改善するとは考えにくいが、ウェーバーの実力を持ってすればF1キャリア9勝の記録にひとつかふたつの勝利を上乗せできる可能性はありそうだが…。