自動車部品メーカーの峰山鉄工所は、「MF-Tokyo2013プレス・板金・フォーミング展」に若手がつくった製品を出展。それが病院をはじめ、リハビリセンターなどの施設で大ウケしているという。
その製品は「にゃんべる」と名付けられた、猫の手の形をしたダンベルだ。「かわいい」ということで、つらいリハビリも楽しくできると非常に好評で、施設からの注文が相次いでいるのだ。そこで、今年からネット販売も開始、すると若い女性からの注文が大きく伸び始めた。
それにしても、自動車部品メーカーがなぜこんな製品をつくったのか。「実はリーマンショックが関係しているんです。自動車メーカーからの注文が7割も減ってしまい。若手にうちの技術を使って何か新しいものを考えてみろと注文を出したのです」と同社の幹部は話す。
そして、出てきたアイデアがこのダンベルだった。当初はアイデアを製品化する予定ではなかったそうだが、せっかく若い人が考えたのでつくってみようとなった。すると、病院などから注文が相次ぐ結果になったわけだ。
これには同社も大喜びだったが、それ以上に喜ばせたことがあった。「アイデアを製品化したことによって、若手の目の色が変わり、いろいろなアイデアが出るようになりました」と同社の幹部は嬉しそうに話し、また何か新しいものを出したいと若手が意欲満々になっているという。
本業の自動車部品事業はまだリーマンショック前の8割しか回復していないが、若手がやる気になったことによって、会社の活気はすでにリーマンショック前以上になっているそうだ。