従来の考え方の延長ではなく、新しい時代のニーズに応えられ、今後のベンチマークになり得る二輪車を目指して開発したホンダ『CTX700』シリーズ。その試乗会が千葉県木更津市で行われた。その開発コンセプトは「快適技術の体感」だ。足つき性がよく安心感のある低シート高と、街中でも気楽に操る楽しさを味わえる素直なハンドリング特性と安定感、それに力強い個性的なデザインを融合させたという。試乗したのはネイキッドモデルの『CTX700N』、デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)だ。エンジンをかけると、低音の心地よい響きが伝わってくる。そのうえ、振動は少なく、同社の大型クルーザー『VT1300CR』の半分以下といった感じで、不快な振動を抑えたというのもうなずける。ドライブモードに入れ、スロットルを回すと、スムーズに動き出す。そして、スピードを上げるに従って、自動的に最適なギアにチェンジしていく。それは、スピードを落としたときも同様で、止まったと同時にローギアになっていた。しかも、そのギアチェンジを感じることができる。スクーターとは一味違う。加速はどうか。圏央道で試してみた。スロットルを回すと、一呼吸置いて重量感のある加速が一気に始まる。それは、『VT1300CR』や『CB1300』のものとは違い、ヤマハ発動機の『VMAX』を彷彿させた。高速道路でのスピード走行も安定していて、長距離ツーリングにも向いているだろう。「今までの価値観と違ったクルーザー」と開発責任者の青木柾憲氏(本田技術研究所上席研究員)と話していたが、こんなオートバイもあっていいのかもしれない。ホンダの中ではまた乗ってみたくなる1台だ。
幻の「黒いカタナ」がサプライズ公開! 市販化の可能性は…? スズキ「カタナミーティング2025」次期モデルの展望も 2025年9月7日 「カタナミーティング2025(KATANA Meeting 2025)」に市販化さ…