新時代のベンチマークとなる新型『フィット』のプロトタイプに試乗した。
突然畑違いの話で恐縮だが、芸能界ではデビューシングルが大ヒットするとセカンドシングルもその勢いで売れるジンクスのようなものがあるらしい。しかし、それはあくまでも勢いや運であり、本当の意味での実力が試されるのはサードシングル(3作目)の売れ行き次第というわけだ。
閑話休題、では同じような売れ方?をしたホンダ・フィットの3代目はどうなのか。プロトタイプとはいえ、試乗した印象ではそのジンクスは外れそう、つまり「凄く良い」そして「売れることは間違いない」と宣言する。
各車両のドライビングインプレッションに関しては他のジャーナリストの方々におまかせするとして、今回単独試乗がメインの中、あえて(たぶん唯一)後席に同乗試乗、そこで驚いたのが車両の挙動が安定していることである。
正直言えば現行フィットは快適性に関しては一定以上の基準は満たしているものの“前席重視”であることは否定できなかった。しかし新型ではハードなコーナリング時にもクルマと実際の身体の動きの差(ブレ)が少ない。またこれ以上伸ばすことは無理ではないか、と思わせたホイールベースの拡大、シートの座面延長やクッションの厚み向上により臀部の収まりも良い。
ハイブリッドを筆頭に全車で向上した静粛性も含め、快適性が大幅に向上している。この点だけでも新型フィットは“買い”。アクアの後塵を拝していた燃費性能にも勝利することでフィットは新時代のベンチマークになることは間違いない。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
高山正寛|ITS Evangelist(カーナビ伝道師)/AJAJ会員
1959年生まれ。リクルートでカーセンサー創刊直後から新車&カーAVの担当デスクとして業務に携わる。フリーランサーとしてはクルマだけでなく携帯電話やPCなどのデジタルガジェット関連記事も寄稿。毎年新型のカーナビを自ら自腹購入する“荒行”が日々の生活を圧迫する(汗)。