7月17日より、東京・上野の国立科学博物館にて、小惑星探査機「はやぶさ」が採取した小惑星イトカワ表面の微粒子が展示される。地球館2階「日本の宇宙開発コーナー」での常設展示だ。公開に先駆けて、内覧会が行われた。
科学博物館 地球館2階の展示コーナーでは、2010年6月13日、地球に帰還した小惑星探査機はやぶさがカプセルを分離して地上に届けた小惑星表面のサンプルのひとつが展示される。0.049ミリメートルの大きさの岩石質の微粒子を窒素ガス封入のケースに入れられ、光学顕微鏡で拡大して見ることができる。顕微鏡を操作し、微粒子の拡大・縮小、回転ができる。見学時間は1人1回あたり1分間となっている。顕微鏡のすぐ上には、東映映画「はやぶさ 遥かなる帰還」( 公開:2012 年 2 月 11 日 主演:渡辺 謙)の撮影用に製作され、科学博物館に寄贈された「はやぶさ実物大復元模型)が展示されている。
岩石質の小惑星イトカワから採取された微粒子はカンラン石の単結晶が含まれ、ライトを受けて輝いている。破断面が見られ、表面にはさらに細かい破片が付着しているという。月以外の天体のサンプルを直接持ち帰った貴重な成果で、現在世界の研究者が分析を進めているサンプル実物の展示だ。JAXA 宇宙科学研究所の安部正真准教授によれば、現在、イトカワの表面サンプルは日本国内の研究者による初期分析を経て2回の研究公募を行った。200以上のサンプルが研究のため配布され、第一段階の成果取りまとめが今年10月に日本で行われる予定とのことだ。