初の実走テストが7月10日から富士スピードウェイで始まった、スーパーフォーミュラの来季ニューマシン「SF14」。初日午後のセッションはトヨタ、ホンダの各エンジン搭載車がいずれも20周以上を走り、徐々にではあるが、テストが本格化してきた。もちろん、まだまだ両陣営ともに“転がし始め”の段階であることは午前と変わらないが、周回数が増え、連続走行する機会も増えた。ベストタイム、と言える性質のものではないにしても、時計的にはSF14・トヨタ(中嶋一貴)が1分29秒台、SF14・ホンダ(伊沢拓也)が1分30秒台をマークし、春先のテストでの現行車(SF13:旧名FN09)の約7秒落ち、季節の違いを考慮すれば5秒落ち前後と思われるところまで足を踏み入れてきている。現行車に比べて車重的に軽くすることが開発主眼のひとつでもあったSF14だが、ドライバーは既にその効果を感じ取っているようだ。伊沢は「(低速コーナーの続く)セクター3でマシンの軽さが活きている」と語っており、「今週末の第3戦をこのマシンで走りたいくらい」というリップサービスも飛び出すほど、初期フィーリングは良好な模様。一貴も「まだまだ手探りの状態ですが、素性がわるくないことは感じられた」と語る。ターボ、カーボンブレーキという現行車とは異なる要素もあるSF14だが、ターボエンジンについては「NA(自然吸気)ほど扱い易くはないかもしれないけど、慣れてくれば大きな問題はないと思う」。カーボンブレーキに関しては、F1やWECで経験していることもあり「(感想は)特にないです(笑)。違和感ないですし、今までよりは確実に良く止まりますね」とコメントしている。シャシーを開発したダラーラ、そしてトヨタ、ホンダの各首脳たちも概ね笑顔で実走行初日(欧州でも実走行はされていないらしい)を終えており、細かい問題はいろいろと出ているようだが、それらがいずれも想定の範囲内、対応可能な範疇であることを窺わせた。テストは明日(11日)も続行される。さらに11月までに4回、計8日間のテスト日程が組まれており、来季開幕に向けてSF14の熟成が進められることとなる。■今後のSF14テスト日程(予定)7月31日~8月1日/もてぎ9月11~12日/鈴鹿9月30日~10月1日/SUGO11月7~8日/鈴鹿■SF14 主要スペック(JRP発布資料より)全長:5268mm ホイールベース:3165mm全幅:1900mm 全高:950mm重量:650kg(ドライバー搭乗時)フロントサス:プッシュロッド/トーションバースプリングリヤサス:プッシュロッドギヤボックス:リカルド製 6速ステアリングシステム:KYB製 電動パワーステアリングブレーキキャリパー:ブレンボ製ブレーキディスク:ヒトコ製(カーボン)タイヤ:ブリヂストン製エンジン:直噴2000cc直列4気筒+ターボエンジン出力:550馬力エンジン重量:85kg